第38話 創作における自分のペースを守る

創作を続ける中で、他人のペースに合わせようとして疲れてしまった経験はありませんか?周りのクリエイターが次々と作品を完成させたり、絶え間なくアイデアを生み出したりしているのを見ると、自分ももっと速く、もっと多く作らなければいけないのではないかという焦りを感じることがあります。しかし、創作は競争ではありません。他人のペースに合わせるのではなく、自分自身のペースを守ることが、長く創作を続けるためには不可欠です。


私もかつて、他人のスピードや成果に圧倒されて、自分の創作が遅すぎるのではないかと感じたことがありました。急いで書き上げた作品はどれも、自分の中でどこか納得のいかないものばかりでした。それが続くうちに、創作そのものが楽しめなくなり、筆を取るのが怖くなることさえありました。しかし、そのとき気づいたのは、「自分のペースを無視すると、創作の喜びも失われてしまう」ということです。


創作は、自分自身との向き合いです。他人のペースに合わせる必要はなく、自分が心地よいと感じるリズムで進めることが大切です。私はその後、「自分のペースを守る」ためのいくつかの工夫を取り入れるようになりました。


まず、締め切りを自分で柔軟に設定することです。たとえば、一日に何文字書くか、一週間でどのくらい進めるかをざっくりと決めておきますが、それを絶対的な目標にはしません。疲れているときや、気が乗らないときは、その計画を見直す柔軟性を持つようにしています。創作にはムラがあって当然だと受け入れることで、無理なく続けることができます。


また、他人と比較することを意識的にやめる努力もしています。SNSや他人の作品を見ていると、つい自分と比べてしまいがちです。しかし、その比較には意味がないことに気づきました。私たちはそれぞれ違う背景や価値観、感性を持っており、進むスピードも異なります。自分が作りたい作品を、自分のリズムで作ることが最も重要だと思えるようになりました。


さらに、「休むことも創作の一部」と考えるようになりました。疲れているときやアイデアが出ないときは、無理に進めるのではなく、一歩引いて休むことで、新しい視点やエネルギーを得ることができます。休むことに罪悪感を感じる必要はありません。それも創作のプロセスの一部だからです。


最後に、進捗が小さくてもそれを認めることを心がけています。たとえ一日で数行しか書けなくても、それは確実に前進しています。自分のペースを守りながら一歩ずつ進むことで、いつか作品は完成します。その積み重ねを信じることが大切です。


創作は、他人と競うものではなく、自分自身と向き合い、表現する旅です。その旅を楽しむためには、自分のペースを守り、無理なく進むことが必要です。これからも、他人に惑わされず、自分のリズムで創作を続けていきたいと思います。


ゆっくりでも確実に、自分のペースで歩んでいく。それが、私が創作を続けるための信念であり、何よりも大切にしていることです。

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他人を意識しない執筆活動 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92

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