第2話 相談者1

 「はい、はい、なるほど〜。それでしたら旦那様ともう一度話し合われてはいかがでしょうか?はい、はい!そうですか〜。そうでしたらそのほうが良いと思います〜。いえいえ、全然お礼なんて、はい、はい!分かりました〜。はい!では失礼しま」

プツッ

会話が雑だと電話の切り方も雑なんだな。

そんな事を思いながらとおるは、今度は電話を発信していた。プルプル、プル

「おつ〜。白夜びゃくやさんが通話してくるってことはなんか面白い相談が来たってことっすよね!」

人から言われると毎度思うが、白夜って名前を自分に付けてるのかなりイタいな。そんな事を思いながら白夜こと透は話す。

「いや〜それがね。さん、さっき電話かかってきて出てみたんですけど、なんかおばさんの恋愛相談でーww」

「いやwマジか〜wwそこだけでキツすぎるw」

白夜はさっき聞いたおばさんの旦那に対する愚痴を伝説のニートに伝えていった。時折、誇張しながら大袈裟に。

ニート探偵事務所は、ネット友達と考えたネタだった。ネットの中で仲良くなった顔も知らない奴らとテキトーにホームページを作り、テキトーに依頼を受け、それをネタに笑い合う。いかにもネットらしい、陰湿なコミニュティだ。探偵事務所の名前は言わずもがな、所属している全員がニートだからこう決まった。依頼料ももらわずほとんどただ愚痴を聞くだけ。普通の人なら考えもしないような事だが、白夜たちは進んでやった。なぜならニートだから。それほどに面白いことに飢えていたから。

おばさんの恋愛話を伝説のニートに伝え終え、ひとしきり笑った後、突然が通話に参加してきた。伝説のニートが茶化すように言う。

「お、かななさんこの通話に来たってことは面白い相談がきたってことっすね〜wさあ、早く聞かせてくれたまえ〜」

「友達が、ーーされたかも...。」

聞き取れなかった。白夜が聞き返すよりも先に伝説のニートが口を開いた。

「サーセン、もう一度言ってもらっていっすか?」

「友達が、殺されたかもしれない!!」

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ニート探偵 @gooorilla

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