愛の温もり

たった数ヶ月後の 偉大な魔法使いたちの長と

なったトキ。皆に尊敬され神のように拝まれ

そして怖がられ嫌われた怖いのはトキ自身もだ なぜなら完成させた魔法は不死になると

いむものだったから元々不死について1人で

研究をしていたのがついに完成した。

「トキさん!流石です」同じく城の研究室で

働く後輩に褒められたがトキは何も言わず

ただ仕事に没頭した「おいっ、お前流石ですじゃないだろ?それまでの経過を知らないのか」トキの先輩が叱った後輩はしばらく考え

まさか……と1つの答えにたどり着いた。

「先輩、不死ってトキさん自身がなったん

ですか?」先輩が静かに頷くするとトキの

手が止まった「……そんなに気になるの?」

後輩は下を向いた それを見てトキは笑う

「冗談。それにさっきわざとながしたけど

僕は褒められるような人間じゃない、でも

褒めてくれてありがとうね」そして先輩の方を向き「先輩も僕のために叱ってくれてありがとうございます……でも、大丈夫ですから」先輩は心の中でもう、あの時のトキは

いないんだと悟った。ハルカが生きている頃はなんでも表情に出ていた 嬉しいことが

あったら鼻歌だって歌っていた。そんなトキが今はやつれ目の下には濃いくまがある

だいたい無表情で笑ったとしてもさっきのような作り笑いだ「トキ、お前何連勤目だ?」

先輩が尋ねる「さぁ?10を超えた頃から

数えてないですね……家に帰るのがなんだかめんどくさくて」先輩はこれ以上尋ねるのを

やめ「あまり無理するなよ」とだけ言って

仕事に戻って行った。その場に後輩とトキだけが残される「トキさん、辛かったら頼ってくださいよ?俺だって少しは役に立てると

思うんで」「知ってるよ 君がすごく頼りに

なること、でも僕がやってるのって危ないのがほとんどだからさ……そこだけは分かってほしいな」後輩にとってそれは遠回しに

“頼るのは無理だ”と言われているような

ものだった「分かりました。でも、俺だって心配してるのは分かってくださいね」

そう言って後輩は仕事に戻るうっすら透けて

見える痛々しいトキの傷の数々。これ以上

想像などしたくなかった


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛の温もり 冬彩 桜月 @touasatuki0820

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ