雲になりたい
翡翠
⠀ ⠀ ⠀
静寂に私は立っている
暖かい太陽が煌々と照らし
湿気まじりの風が髪を揺らす
心に潜む悪魔が
もう、人生を諦めればいい
真っ白な雲が空に浮かぶ
ふわりふわりと私を迎えに来て
重い鎖から解き放たれ
空の彼方へと飛び立ちたい
ただ暗い道を一人歩く
不安が足元を
誰も知らないこの痛みを
ただ雲に隠してしまいたい
もういい私は行く
叫びが空を貫き消える
柔らかな白い羽に包まれて
忘れ去られた夢の中へと
空に浮かぶ白い雲は、
私を呼んでいるのかもしれない
この現実を手放し
温かいところへ消えていく
雲は儚い
風にさらわれ形を失う
私もまた無に帰る
ただの幻想
誰も気づかぬまま
私はその場に消えていく
雲になりたいと願った私は
恐怖の中で静かに息を潜める
夢見た自由は
どこにあるのだろう
この暗闇に埋もれて
ただ孤独が私を包み込む
雲になりたいただそれだけ
痛みから解き放たれ
何も感じずただ漂う
踏み出した
雲に身を任せて
雲になりたい 翡翠 @hisui_may5
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます