良く練られた意外性と、安定のハッピーエンドの安心感

久しぶりに山下先生の作品を読ませて頂きました。

「主人公は読みづらい名字のお金持ち」そんな山下作品のお約束に触れ、改めて時間を作り多少構えて読み始めました。

なぜなら以前の作品は登場人物が多く、セリフの1つ1つが誰の発言かすぐには理解出来ず、文脈から確認しながら読み進めるのに手こずった覚えがあったからです。

しかし本作は登場人物が整理され、口調に特徴が付けられているためストーリーが容易に理解できます。

また登場する地名が実在するので、距離感や街の持つ空気感がリアリティを与え読み易さをアシストしています。

するすると読み進めれば安定の山下ワールド炸裂、無事にハッピーエンドとなり一安心でした。

日々の仕事に追われ、悲しく辛い事が大半で楽しい事はほんの少し、そんな会社の奴隷と化した私ですが、最後まで読んで暖かい気持ちになったという事はまだ人間らしい心は失って無いのかな?と思わせてくれた作品でした。

山下先生、またハッピーエンドの作品、期待しております。