最終話:私を壊さないでよ。
「別にいいよ・・・あのね、私の両親離婚したの、私が中学生の時」
「で〜私はお母さんのほうに引き取られたんだけど、お母さん他に恋人
作って私を置いて家を出てっちゃったの」
「ひとりぼっちになった私は親戚も頼る人がなくなって、しかたなくお役所に
相談に行ったのね」
「お役所の人が施設紹介してくれて私が義務教育が終わるまで施設でお世話
になったの・・・で、高校生になって自立したかったからね、学校へ通いながら
バイトしてるの・・・それで全部」
「そうなんだ・・・そんなことがあったんだね」
「だからってアル、同情しないでよ」
「同情するなってほうが無理でしょ?」
「アル、人間てさ・・・生きることに必死な時は死のうなんて思わないもんだよね」
「まあ気持ちは前向きだからね」
「でも、そうなら僕はどこにも行けないね、向日葵ちゃんを寂しくさせちゃ
可哀想だから・・・」
「それに僕がいるかぎり、もうバイトなんかしなくていいよ」
「お金のことなら、なにも心配いらないから・・・世の中には、世間に
出ちゃマズい不明金がいっぱいあるからね、特に政治家の金庫には」
「だから、君に対する僕の想いは同情じゃなくて愛情だよ向日葵ちゃん」
死神のアルは向日葵を引き寄せてに優しくハグして、そしてキスした。
向日葵は抵抗しなかった。
「アル・・・私もアルのことが好き・・・大好き」
「今までセックスはダメって言ってきたけど・・・もういいよ」
「私を抱いてもいいよ・・・アル」
「まじですか?・・・僕のあれってほんのジョークのつもりだったんだけど」
「本当はさ、大事な向日葵ちゃんを汚すことなんかできないよ」
「え〜あれってジョークだったの?」
「せっかく私がその気になったのに?」
「そうだね、もしそれが現実になる時が来るならそれは自然の成り行きで
いいんじゃないかな?」
「私がしたいって言ったら?・・・無視するの?」
「いやいや・・・無視なんかしないよ」
「そう言うことならちゃんと応えてあげなきゃ・・・向日葵ちゃんに決定権と
主導権があるんだから僕はそれに従うまでだよ」
で、結局その晩、アルと向日葵は一緒に風呂に入って、案外ウブで
向日葵の裸をもともに見れない照れるアルを向日葵がからかったりした。
お互い期待と不安な思いを抱えてふたりはベッドへ。
可愛いおっぱいを丸出しにしてパンツしか身につけてない向日葵。
モロ生パンツを見たアルはめっちゃ興奮した。
で、向日葵のパンツを脱がすとそのパンツを顔に被った。
「うお〜・・・・ななな、生パンツ・・・風呂に入ったあと新しいパンツに
履き替えなかったんだ・・・向日葵ちゃんの臭いがするよ」
そう向日葵はアルのために新しいパンツに履き替えなかったのだ。
「それはいいけど・・・アル、本当にパンツ顔に被っちゃったの?」
「もう僕フルパワーだし・・・」
「向日葵ちゃん、どうなっちゃうか分かんないよ、保証しないからね」
「私を壊さないでよ・・・もう怖い〜」
「優し〜く激し〜くするから強弱つけてね・・・じゃ〜いただきます」
こうして人間の向日葵と死神のアルは結ばれた。
そして次の朝、アルがキッチンに行くと冷蔵庫に張り紙がしてあった。
《昨夜は、初回限定でタダだったけど今後は》
《私とのハグ、一回100円》
《私とのキス、一回200円》
《私とのセックス、一回1,000円》
「なにこれ・・・めっちゃ安うぅ」
「どうせならもっと高くすりゃいいのに・・・」
「あ、そうかあまり高いと僕が
「なんだよ・・・自分もしたいんじゃないかよ」
「だったらタダでいいじゃん・・・何が初回限定だよ」
向日葵にとって死神アルフレッドとの出会いは命を大切に生きて行きなさいよ
頑張れよっ言う掲示だったのかもしれない。
世の中の自ら命を絶った人たちも向日葵のように死神と遭遇していたらもしか
したら死なずに生きていて素敵な人生を送れたのかもしれないね・・・。
おしまい。
スケベでめっちゃど変態な死神。 猫野 尻尾 @amanotenshi
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