第8話:だって僕は死神だよ?。

「アルがいないと、やっぱり寂しいから・・・」


「朝からいなかったのは、ちょこっとあの世に現状報告に帰ってただけだよ」

「大丈夫だよ・・・僕はどこにも行かないから、だってまだ向日葵ちゃんと

セックスしてないからね」


「またそれ?・・・もうセックスって言葉に慣れちゃった」

「そのスケベなところさえなかったら完璧なのにね」


「あのさ・・・セックス行為も・・・」


「セックス行為も女の子にも興味示さない男に魅力感じる?って言いたいんでしょ」


「よ〜く分かってる・・・今はそれは正しいって思う」

「私、アルに感謝してるよ・・・私の命を救ってくれて私のために私のタイプの

顔にまでなってくれて・・・私を喜ばせようと頑張ってくれて本当はとっても

感謝してるの」


「自分に無関心な人より自分のために頑張ってくれる人って素敵だって

思うの」

「結局、恋人同士でも夫婦でもそうじゃない、お互い関心持ってるから

特別な人だって思ってるからうまくいくんでしょ?」


「私アルのこと特別な人だって思ってるよ」

「アルとずっと一緒にいられたらって思ってる・・・」

「だけど?私の中に、まだあなたが人間じゃないって意識があってどうなんだろ?」

「このまま一緒に暮らしても、私の中からその意識がなくならない限りあなたに

甘えられない」


「いいよ・・・所詮、僕たちは相容れない関係なのかもね」

「ワンちゃんとネコちゃんがセックスできないように・・・」


「それ、ちょっと意味が違うと思うけど・・・」

「私たちたしかに異種だけど男と女なんだから普通にセックスできるでしょ?」


「だって僕は死神だよ?」


「タイム・リーパーでしょ?」


「もうそんなのどっちでもいいよ・・・いくらカッコつけたって死神には

変わりないんだから・・・」


「じゃ〜アルが私とセックスできるかどうか試してみればいいじゃん」

「あのね、私アルのこと好きだよ・・・受け入れてもいいって思ってる」


「そうなの?・・・それは僕にとってとっても嬉しい出来事」


「私もアルの役に立ちたいの」


異種同士とは言え、それでも一緒に住んでたら情が湧くってもの。

ふたりっきりの生活なんだから・・・だからもう死神でも人間でも同じこと。


それからふたりは目を閉じるよ・・・キツく体ハグしてチューして・・・

向日葵はアルにおっぱいモミモミされて、パンツに手をつっこまれて

エトセトラ・・・。

そのままセックスに突入って雰囲気だったんだけど・・・。


「まだダメだからね・・・お風呂に入らなきゃ」


「分かった・・・あの向日葵ちゃん・・・今更だけど、ひとつ聞きたいことが

あったんだけど・・・」


「なに?聞きたいことって?」


「向日葵ちゃん、なんでひとりでアパートになんか住んでるのかなって?」

「ご家族はどうしてるのかな?」


「あ〜それ聞いちゃう?」


「ごめん・・・話したくないならいいけど・・・」


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る