第10話 ついに

太陽に匹敵する明るさの星が突然現れた。


いや、太陽を越える明るさだ。


ついに始まった。地球に直撃する。


地球の反対側?シェルター?脱出?


 何の意味も無いだろう。かつて恐竜が絶滅したあの規模を越える衝突だ。これほどのエネルギーの前では全てが無意味だ。


 人類が初めて経験するこの途方も無いエネルギーは全ての滅亡の道標となった。


 俺はこの時代に生まれたことは後悔はしていない。だって、最後にこうやって君と同じ時間を。


 私も、貴方とこうして。ねっ、修学旅行覚えている?私と同じグループで。君とちゃんも話せたんだよね。嬉しかったんだよ。


 緊張で何話したか…でも、嬉しくてその日の夜は眠れなかったよ。遥と同じで嬉しくて嬉しくて。


 私と同じだね。もっと早く話せばって。でもそうしたら、この気持ちは無かったかも。これで良かったんだよね、私達。


 今度も同じように生まれてこよう。遥、俺は必ず君を見つける。約束する。


 本当にー?もっと可愛い子がいて、私のことなんて忘れちゃうんじゃ無いの?


 もし忘れたら遥のデコピンで思い出させてくれ!!ただし忘れたらだぞ。それ以外は絶対にするなよ、振りじゃないぞ。


 解った。その時は私の本気を見せよう。多少の厚めのガラス程度なら割れるほどの。


 ……そうすると、それを食らったその時が最後かもな。


くだらない会話で笑顔になる。


遥は、抱きついた俺に、


私達、どちらも悲しまなくていいんだね。


別れなんて無いんだからね。




✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳ Fin ✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



ご愛読、ありがとうございました。


 


 

 



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