第16話
「ちょっと寝るの~?千秋、離してよ」
「………やだ」
「やだじゃないの」
「俺は紫季にくっつきてぇの」
「もうくっついてるじゃん……」
呆れたように笑った紫季が俺の髪を優しく撫でた。
「紫季……」
「うん?」
「もうちょっと、このままでいさせて……」
未練たらたらな俺はやっぱり健在。
あ~あ。かっこ悪。
でも今は紫季に髪を撫でられるのが気持ち良いから、そんな事は一時忘れて少しだけ眠ろう。
ベッドから見える俺たちの街は……今日も回り続けていた。
その景色を目に焼き付けて、俺は目を閉じた。
GOOD NIGHT FINE BOY
A town to go around【完】 星 @sei-goldwolf17
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