第25話【料理対決配信2】
「できた! できたできた!」
そう言ってルナちゃんは嬉しそうに完成したオムライスを歩夢ちゃんの元へ持って行った。
アリスちゃんは少し前に完成させており、歩夢ちゃんはそれを食べているところだ。
俺の所にも同じものが届いて食べたが、歩夢ちゃんと一緒でとにかく美味しいという感想しか出てこない。味付けも丁度良くて何も悪い所がない。
「ルナ先輩のオムライス凄い綺麗で美味しそう!」
そしてルナちゃんはオムライスにナイフで縦に切り込みを入れて、中を開いた。
:ルナちゃん料理うま!
:見た目は普通にお店レベル。
:ルナちゃんにこんな特技あるなんて知らなかった。
「わぁ~! すごーい! ルナ先輩こんなに料理上手だったんですね! それじゃあルナ先輩のオムライス頂きます!」
「あ! ちょっと待って歩夢ちゃん」
そう言ってルナちゃんはオムライスにケチャップで何かを書き始めた。
「よし、完成!」
「ちょっと先輩! これじゃあ食べたくても勿体なくて食べれないですよ」
ルナちゃんがオムライスに書いたのは自身のサインと小さなハートマークだった。
:本人の手料理でサイン付オムライスとか付加価値エグいだろ。
:十万で買わせてくれ。
:こっち百万出す。
:やばい、お腹空いてきた。
:俺も夕食オムライスにしようかな。
「歩夢ちゃんのために作ったんだからちゃんと食べてね」
「うぅ~、勿体ないけど頂きます!」
勿論俺の所にもルナちゃんの作ってくれたオムライスが運ばれてきた。
俺は歩夢ちゃんと同じタイミングでオムライスを口に運んだ。
「ど、どうかな……?」
「ふわっふわで凄く美味しいです! 私料理には自信あるんですけど私の作るオムライスよりも全然美味しいです!」
「ほ、本当に⁉」
歩夢ちゃんが「はい!」と答えるとルナちゃんは凄く嬉しそうに喜んだ。
そしてアリスちゃんから一件の連絡が来た。
『利香ちゃんの作ったオムライスはどう?』
そのメッセージに「凄くふわふわで今まで食べたオムライスの中で間違いなく一番美味しいです」と返した。
アリスちゃんは俺の送ったメッセージをルナちゃんに伝えていた。
するとルナちゃんは両手を握り小さく飛び跳ねていた。
「雫もできた!」
「あ、雫先輩忘れてた」
「ちょっと酷くない⁉ 雫も頑張って作ったんだよ!」
そう言って歩夢ちゃんの前に出したオムライスはルナちゃんやアリスちゃんに比べたら形は綺麗ではないが、頑張って作ったというのが凄く感じられる。
「じゃあ雫先輩! いただきますね」
「ど、どう? 雫初めて作ったから……」
「……うん! 美味しいですよ! 牛乳入れすぎてたので心配でしたけど初めてでこの美味しさなら文句なしです!」
「本当に⁉ 良かったぁ~。雫初めて料理するし初めて誰かに食べてもらうから美味しくなかったらどうしようって実はずっとドキドキしてたから……なんか安心して泣けてきた」
「ちょっと泣かないで下さいよ先輩!」
:頑張ったな雫ちゃん。
:初めての手料理が誰かに振舞うのは中々プレッシャーあるよな。
:他の二人が上手い中なら尚更だよな。
「う~ん。どれも凄く美味しくて一番決めるのが難しいです。難しいですけどやっぱり一番はルナ先輩ですかね~」
「ルナが一番⁉ やったあ!」
:アリスちゃんが一番だと思ってたけどまさかのルナちゃんだった。
:目でも楽しめるのは良いよね。
「頑張って良かったぁ~」
「ルナちゃんずっと頑張ってたもんね」
「昨日もルナちゃんに電話かけたら今料理してるって言われて切られちゃったし」
「ご、ごめんね雫ちゃん。真剣だったからつい……」
「良いの良いの。ルナちゃんの気持ちは凄く分かるから」
:そんなに頑張ったんだルナちゃん。
:デビューしてからずっと努力家だよねルナちゃんって。
:頑張る姿に皆惹かれるんだろうな。
「それじゃあルナ先輩には私が作ったチョコレートマフィンをプレゼントします!」
ルナちゃんに渡されたマフィン、これは俺が今日家で作ってきて持ってきたものだ。
ルナちゃんは嬉しそうにマフィンを受け取り口に入れた。
雫ちゃんの気持ちが良く分かる。美味しくできてなかったらどうしよう。教えてくれた香澄にも申し訳なくなる。
「ん~! 凄く美味しい!」
そんな心配をよそにルナちゃんは頬に手を当てながらそう言ってくれた。
「それは良かったです! また第二弾があったら呼んでくださいね先輩!」
「もちろんだよ!」
「次は雫も料理の練習しないとね」
「雫には頼もしい先生が居るからね! 次は間違いなく一位とっちゃうんだから」
幼馴染に勧められてVTuberを始めたら何故か推しの大人気VTuberに配信で話題にされた 月姫乃 映月 @Eru_ZC
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