鴨のひとりあるき

タカナシ トーヤ

鴨のひとりあるき

1匹の鴨が歩いておりました。

その先には、落とし穴がありました。



ある鴨が、それを見て後に続きました。



2匹の鴨が、「落とし穴」に向かって歩いておりました。

ある鴨は、それを見て後に続きました。



ある人間は、それを人に伝えました。

「落とし穴に向かっている鴨がいるらしいよ」



ある人間は、その話を別の人に伝えました。

「鴨がいるらしいよ。罠に向かってるらしい。怖いよね」

「それは危ない、助けないと」



ある人間は、その話を別の人に伝えました。

「怖い鴨が、罠にかかったらしいよ。いっぱいいるらしいよ」

「それは面白い、見に行こう」





さて、鴨は元々、何をしていたのでしょう。






もし、鴨の行列を見た時は、

加わらずに、広めずに、そうっとしておいてくださいね。



「落とし穴」に見えているその先に、実は「ねぐら」があるのかもしれません。



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鴨のひとりあるき タカナシ トーヤ @takanashi108

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