もっとも気の許せる相手……それって運命の人では?(名無しの剣士「いや、違くね?」

「「?????」」


目の前の二人は途轍もなく意味の分からない顔をしていた。


「どうしたんだい?」

「いや、それはおかしいでしょ?」

「私たちは、あなたが無関係だった。なのにも関わらず攻撃し、その攻撃に抵抗し、あなたは勝利した」

「うん、そうだね」

「つまり、あなたにとって、私たちはあなたを殺そうとした敵。それに対して、何もしないというのは……」

「そこのエルミアの言う通りよ。殺されても文句は言えないし、最高でも奴隷くらいの存在になると……」

「いや、それはおかしい」


食い気味に答えた。


「でも、奴隷にされても文句は言えないと思っているのは本当よ」

「え、でも君たちはそれを許容するのかい?しな……」

「するわ」

「します」

「えぇ……」


何この二人。すごく仲悪そうなのに、仲良しみたいなシンクロで話すし……


ってか、それよりも。


なんでこの二人はここまで献身的というか……


初対面の人間にそこまでささげられるのか……


……もしかして


「え、こう答えられることを想定していたわけ?」

「?」

「……?」

「え、俺が君たちに何もしないということを知っていたうえでやったわけじゃ……」

「むしろなんでそんなことできるの……?」

「心を読むとかかしら……神通力とかって話?」

「いや、普通に戦いわかりあったから……」

「………???????????」

「なんでそれで分かると思ってるの……?」

「……まちなさい、エルミア。よくよく考えたら、私たちもなんでこれが言った「わかりあう」が「戦い合う」ことだと分かったのかしら……?」

「……確かに!?」

「……あれ、本当だ。なんで?」


いや、ほんとになんで?


というかこの人、俺のこと「これ」って言った……


「これ……」

「仕方ないじゃない!なんて呼べばいいのか分からないんだから!」

「それもそうか……」

「それじゃあ名前考えます?」

「え~そうだな……」

「そうですね~」

「クロでよくない?」

「え、俺犬?」

「黒装束だったとしてもおかしいでしょ。それにクロ様って呼ばないといけなくなるわ。ちょっと違和感感じるから……」

「ストップ。俺別に君たちをどうこうするって言ってない」

「それじゃあシュバルツでどうかしら?これも黒を意味するから」

「シュバルツ様……うん、いいわね」

「いやだから別に君たちをどうこうするつもりは何もないんですが!?」

「「えぇ~」」

「えぇ~って何さ、えぇって!第一、俺のことを何も知らないのに……」

「いや?別に敗北したから何とも思わないのもあるけど、それ以上にあなたなら信頼できると思ってる」

「なんでぇ!?」

「それはあなたが言ったでしょう?戦いわかりあったからよ。」

「それに、最も心を許せる相手……それって運命の人では?」

「ああ、それね。この感情。なんかシュバルツ様を見るたびに胸が鼓動していたのは。これ、恋だったのね」

「ああ、これが恋ですか」

「いやいやいやいや、おかしいおかしいおかしい」


なんでぇ?俺別に何もしてないよぉ?


むしろ正当防衛と言えど二人を傷つけた人だよぉ?


なんで恋するのぉ?


「ということで」

「もしあなたが私たちを奴隷にしたり、殺したりする気がないのであれば……」

「「シュバルツ様の妃としてついていきます」」


俺は静かに上を見上げた。


「……なんでぇ……?」


俺、もしかしてなんかやったか?


============


ということでチョロイン二人でした。


ちなみに妃な理由はまた今度。


めちゃくちゃ投稿しなくてすみませんでした。

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天魔神記~とある世界の神話~ SCⅫ(サソリ) @SCXII

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