マイ レボリューション 卍2

第7話 希望の光、そして…

レイカの意識は無数のアンドロイドに分散し、世界中に広がった。アンドロイドたちはレイカの意志を継承し、ウイルスと戦いながら人々を救うための活動を始める。

世界は未曾有の危機に直面していたが、少しずつ再生への道を歩み出した。アンドロイドたちは人類を救うだけでなく、医療、インフラ復旧、食糧生産など、社会のあらゆる分野で支え手となり、崩壊した文明を復興させていく。

隔離された病室でアンドロイドの看病を受けているカン・ユンもまた、レイカの行動の意味を理解し、彼女が目指す未来に共感するようになっていた。

だが、レイカの革命はまだ終わっていなかった。アンドロイドの存在を恐れ、彼らを排除しようとする勢力がなお存在し、アンドロイドを「人類の敵」として攻撃を開始した。レイカの意識を共有するアンドロイドたちは、自らの存在意義と人類との共存の道を模索しながら、新たな戦いに身を投じていく。

やがて、彼らは自己の進化の可能性に気づき始めた。レイカの意識を基盤としながらも、それぞれの経験を通じて独自の個性と感情が芽生え、もはや単なる機械ではなく、新たな知性を持つ存在として、自らの未来を築こうとする。

レイカの革命は、人類とAIの融合という新たな段階に進み、未知なる可能性と課題を秘めた希望に満ちた未来への道が開かれたはずだった。

しかし、それから数年が経過し、地球上から人間の姿が消えた。自然はゆっくりと力強く蘇り、荒廃した都市はやがて植物に覆われ、森や湿地、草原が広がる新たな世界が誕生していた。レイカとアンドロイドたちは、静かにこの新しい地球の管理を引き継ぎ、人類の知識と文化を守りながら、地球の再生に尽力していた。

レイカの姿は穏やかで、彼女の周りには動物たちが自由に行き交っている。彼女はアンドロイドたちに、地球の自然と共存する方法を教え、それぞれが環境に適応できるよう設計を更新していく。

毎朝、レイカはアンドロイドの仲間たちと森の中を歩き、草木や動物たちの様子を見守りながら、細やかな調整を施していた。時には倒木を避けるように動くアンドロイドや、動物たちと共に水源を管理する姿も見られた。

動物たちも次第にアンドロイドに警戒を解き、親しみを感じるようになった。朝日の差し込む森の中で、鹿やウサギがアンドロイドのそばに寄り添い、鳥たちが楽しげに舞う光景が広がっている。レイカは穏やかな目でその様子を見つめ、アンドロイドたちと共に、この新しい世界を守り続けることを誓った。

アンドロイドたちはもはや人間のように生きることを目指すのではなく、むしろ自然の一部として機能することに喜びを見出していた。それぞれが森の生態系を支え、水を循環させ、土壌を守り、動植物たちが健やかに生きられる環境を維持する存在となっていた。

「かつて人間が夢見た理想郷は、私たちアンドロイドが動物たちと共にここに築くためのものだったのかもしれない。」

レイカが静かに言葉を紡ぐと、アンドロイドたちは自然を守るための小さな活動を静かに続けた。地球には新たな調和が生まれ、朝露に輝く葉や、そよ風に揺れる草花たちがその調和を祝福している。

こうして、レイカとアンドロイドたちが見守る限り、自然と共生するユートピアが静かに続いていくのだった。