第2話 高校に行った友
龍騎はいもの芽出しや畑仕事、ときには草刈りなど忙しい毎日を過ごし働き始めてからあっという間に一カ月が過ぎた。
「龍騎、一カ月お疲れさん!これ、給料だ」
叔父は龍騎に12万ほど渡した。
明細も入っていたが細かいことはよくわからない。
「おじさん!こんなもらっていいの!?」
「おう、お前の労働の対価だからな!」
龍騎にとっては人生初の大金であった。
龍騎は週6で毎日8時間働いた。一見少なく思えるが、家に住ませてもらい3食付きと考えるととてつもなく好条件である。これはあくまで親戚だからなのは言うまでもない。
5月4日
朝9時、龍騎は駅で会った友人の家に電話をかける。
「はい、
「おはようございます、
「あぁ龍騎くん?ちょっとまってね」
電話の向こうから「こてつー、電話よー」と聞こえる。
「もしもし、龍騎か?」
「おう、久しぶり!よくわかったな」
「今どき家電にかけてくんのお前しかいねーよ」
龍騎は給料が入ったのでみんなでファミレスに行こうぜと誘った。
龍騎は電車で龍顎市に向かう。
虎徹は仲間2人を呼んで時間に集合場所に向かう。
午前11時、4人は集まりファミレスへと入った。
一カ月以上ぶりの友との雑談に花が咲く。
3人は皆、龍顎工業高校に進学していた。
虎徹と同じ機械科に通う
「おぉ、サンキュー!」
「俺たちも家電されんの嫌だからよw」
「まずお前はスマホを買えよ」
電子科に通う無類のゲーム好きの
「それよりお前ら高校生活どうよ?」
3人はあまりいい顔をしない。
「あぁ…先輩達がだりぃ」
「だな」
聞けば校内で不良チームを作っている連中がいるらしく、幅を利かせているらしい。
既に虎徹と春樹及び、機械科の一年生は不良チームに上納金を払えと言われ、幾らか取られている。気合いの入った同級生は逆らった結果骨を折られるほどボコボコにされ、学校を去ったそうだ。
不良のリーダーである三年生の
「教師は動かないのか!?」
「見て見ぬふりだね、この一年凌げば卒業して関係なくなるし、触らぬ神になんとやらだろう」
虎徹は力なく答えた。
「まぁ俺たちも一年凌げば大丈夫っしょ、頑張るさ」
春樹はそう続けた。
龍騎はそれでいいのかと思ったが、どうすることも出来ないし関わることでもないのかなと思った。
このとき龍騎達はまだ、まさか自分たちがこの不良チームと命懸けの喧嘩をすることになるとは思っていなかった。
ファミレスを出て仲間達とスマホを見に行き、龍騎は次の給料で買うことを決めた。
久々の友達との楽しい時間を過ごし、明日からも頑張ろうと思う龍騎であった。
次の更新予定
毎週 日曜日 12:00 予定は変更される可能性があります
狐狼の龍騎 teikao @teikao7857
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。狐狼の龍騎の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます