自爆勇者~なんでも爆発オチなんてサイテー!~

有沙里 ミ参

プロローグ

数百年前、突如として魔物たちの統率者が現れた。


今までは魔物は協調性などなく、それぞれの思うがままに、縄張りに立ち入った人間を襲い、食料を求めて村を襲い、時には同種族の群れを形成するなどの傾向のわかりやすい単純な行動ばかりであった。

そのため、習性さえ分かれば対策は容易で、これといった大きな被害は出ることがなかった。


しかし、そんな魔物たちを統率する者が現れてから、魔物たちの行動には大きな変化が現れた。

今まで特定の地域にしか生息していなかった魔物が、生息しないはずの地域に現れたり、

別の種族同士で行動し、縄張りの周辺の村を襲ったり、今まで通りであれば対策できたことができなくなってしまった。


その統率者は後に、魔王と呼ばれる。

魔王自身も気まぐれな行動をし、どの魔物の群れよりも甚大な被害を及ぼした。

ある時では、自らの通る道を阻む全てを焦土へと変貌させ、ある時では天変地異を操り、破壊の限りを尽くした。

魔王の行いは、数百年に渡って人々の歴史に刻まれ、その悪名は語り継がれてきた。


過去には魔王を倒さんとした者たちもいたが、いずれもその強大な力の前に為す術もなく敗北した。

国をあげた討伐作戦を行った国もあったが、最終的にその国の名は地図から消え、代わりに魔王の領土として新たに地図に刻まれた。

それほどまでに魔王は脅威であった。

しかし、人々は魔王を打ち倒すことを諦めることは決してなかった。

そしてとある国の国王が、ある決断を下す。


――異世界より、魔王を打ち倒すことのできる力を持つものたちを召喚し、その中から1人を選別する。

その者を魔王を打ち倒す勇ましき者…勇者とし、魔王討伐へと駆り出すのだ―――と。


こうして国王の命により、国中の魔法使いが集められ、異世界人召喚の儀が執り行わることになる。そうして召喚された者の中から、勇者が選別されることとなったのである。





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