日常の足音
赤麦雅屋
日常の足音
木枯らしが肌を刺す帰り道
駅から家へと続く道程
何気ないいつもの日常
ふと改めて周りを見遣る
買い物帰りの親子は手を繋ぎ
我が子が話す一日に
笑顔で相槌を打つ母
二つの影は楽しく揺れる
部活帰りの高校生グループ
コンビニ前で肉まんを頬張り
明日の授業の課題に愚痴を溢し
やがては各々の帰路へと走る
仕事帰りのスーツの男性
くたびれた背中にのしかかる
疲労を謳うスマホの着信
自販機の缶コーヒーが背伸びを促す
愛犬の散歩をゆったりと楽しむ老夫婦
老夫婦を追い越してジョギングする若い兄弟
兄弟を追い越して鼻唄と共に駆ける自転車の青年
自転車とすれ違う宅配トラックが住宅地へ曲がる
トラックを追うように走る女性の後ろ姿
そうだ もうすぐ宅配の届け時間だ
つられるように駆け出した帰り道
木枯らしを追い風にひた走る
この日常は誰のもの
その日常は皆のもの
何気なく進む時計の針音
何気なく歩む溶ける平穏
人と人とが隣り合わせに歩む音
日常の足音 赤麦雅屋 @akamugimasaya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
子供心を愛し往く/赤麦雅屋
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます