第50回衆院選についての雑感
武藤勇城
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第50回衆院選についての雑感
2024年10月27日。第50回衆議院選挙の投開票が行われました。大まかな結果を言うと、自民党が大きく議席数を減らし、立憲民主党と国民民主党が大きく議席数を増やしました。今回は、この選挙結果を受けた個人的な雑感をお話ししたいと思います。
ひとまず、前回2021年の衆議院選挙直後の議席数から、どれだけ変動したのか確認しましょう。以下『政党名』『前回結果』『今回結果』『議席数の差』の順に表記します。
自民 261 191 -70
公明 32 24 -8
立憲民主 96 148 +52
日本維新 41 38 -3
国民民主 11 28 +17
れいわ 3 9 +6
共産 10 8 -2
参政 0 3 +3
日本保守 0 3 +3
社民 1 1 ±0
無所属 ― 12 ―
一目瞭然、自民党が減らした議席数そのまま、元・民主党に移動しています。2009年「政権交代だ!」と各種メディアが大いに煽り、民主党政権が誕生したあの時に近い動きですが、今回はそこまでには至らなかったというところです。
今回の選挙前、自民党内で総裁選が行われ、『ゲル』こと石破茂総裁になりました。これこそが、自民党の票・議席数が大幅減となった要因です。その直前の岸田政権の酷い状況、特に経済・外交の悪化、続くゲル政権に対する期待のなさ、失望感。それに対し「お灸を据えてやろう」という国民の怒りが大きかったのでしょう。同時に、一度民主党政権を経験した日本国民は、「二度と同じ過ちは犯すまい」という自制も働いたのだと思います。だから対抗馬となり得る元・民主党への投票が限定的で、政権交代にまでは至らなかったものと考えます。この点では、日本国民は賢い選択をしたのかなといった印象です。
大きい動きをまとめるなら2点。
一、自民党に対する失望感
一、政権交代に対する忌避感
その上で今回、新たに3議席を獲得し、国政に進出する政党が2つ生まれました。『参政党』(187万票)と『日本保守党』(114万票)です。政策的にかなり似通ったところのある両党で、お互いの党代表・幹部同士の交流もあります。合流は現段階では「ない」と公言していますが、政策面で協調する部分が多くなりそうです。
これらの党に対する期待は、両党合わせて300万票という得票の多さからも分かります。2019年に参議院選挙で1議席を獲得、国政政党になった『N国党』に近いものがありますが、N国が国政進出後に迷走、既に空中分解してしまった現状から考えれば、参政・保守両党の動きも今後、注視していく必要があるでしょう。N国のように本来の目的を忘れ国民の期待を裏切って迷走してしまうのか。初志貫徹し国政で一波乱を起こせるのか。更には何らかの結果を目に見える形で出せるのか。それ次第で、失意に沈むか、自民から溢れ出た票の受け皿として躍進を遂げるかも決まりそうです。
今の自民党、特に岸田・ゲルと続く自民党には期待できない、しかし元・民主党はもっとダメだ、と考える多くの国民の次の審判がどうなるか。2025年に予定されている参議院選挙にも注目したいと思います。
第50回衆院選についての雑感 武藤勇城 @k-d-k-w-yoro
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