ファンタジーな世界で続ける現代生活
クロスディアⅡ
第一章 その① 氷炎の怪盗魔
第1話 プロローグ
────真夜中の学校。
見渡す限り、漆黒の闇に包まれた子供達の恐怖の象徴。
今にも恐ろしい怪物が出そうな場所で、忘れ物を取りに行くのなんて、とてもじゃなきゃ出来ないだろう………
────ん?
────何でそんな話をするかだって?
それはな…………………………………………
「現在進行形で居るからだよ、コンチクショウが!!」
「誰に言ってるんですか!!??」
「気にするな、親譲りの癖だ!!」
「えぇ………」
酷い癖を親から受け継いじまった俺の名前は
そして、俺にお姫様抱っこをされながら生きの良いツッコミをくれた彼女は………
彼女は………えっと…………
いや、ちょっと、待ってね………
う〜ん………うぐぐぐぐゥ……………
「そういや、名前なんだっけお嬢ちゃん?」
「今更そこ聞きます!?」
「いや、名前は重要だぞ。名前が無い奴はこの世に存在しないも同然だ。」
「何この人、めっちゃ真剣な顔で言ってくるんですけど………はぁ、私の名前は
「そうか、良い名前だな幸ちゃん!」
「さ、さりげなく下の名前呼び………」
さて、ちゃんとこの娘の名前を聞いた所で、現在の状況を整理するとしよう………
いや、一目見たらマルっと
だってさ────
「ウォォォォォォォ!!!しつこ過ぎだろうが、この炎!!!」
今、真夜中の学校の廊下で炎に追いかけられています。
重要なので、もう一回言いますね?
真夜中の学校廊下で炎に追いかけられています。
はい、人によってはスペースキャットが脳内に浮かぶ状況ですね………
何故こうなったかというと────
「キャッ!あ、熱い!!」
「ちっ、しっかり俺にしがみついてろ!!じゃないと、コンガリとしたケバブになっちまうぜ!!」
「なっ、私が太っているって言うんですか!?」
「いや、違うよ!?普通に例えだから、例え!!スラッとしてて可愛いから!!」
くっ、今から過去回想に入ろうとしてたのに中断しちゃったじゃねぇか!!
───いや、ちょっと待てよ?
「コレ、大丈夫?セクハラとかにならないやね??」
「えっ、えっと……大丈夫じゃないですか?人によるとは思いますけど………」
「そっかぁ………良かったぁ…………」
セクハラって難しいからね………
価値観は人それぞれで、皆違って皆良いからこそ難問なのよ………
だから、個人の裁量に委ねられちゃうし、昔人間の俺にとっちゃ死活問題♪
生きてるだけで、絞首台に立ってる気分になっちゃうよね………
─────────────────って!!!
「早く過去回想しなきゃ駄目だろ、俺!!」
「………本当に大丈夫なんですか?」
幸ちゃんが何か言ってるけど無視無視。
────事が始まったのは、今日の朝頃。
そう、俺が嫁さんの機嫌を取る為に朝からノウサギやライチョウを捕まえに行っていた時だった………
続く
ファンタジーな世界で続ける現代生活 クロスディアⅡ @crossdia
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