制御不能宇宙船

道楽byまちゃかり

置いていかれた村人A

「どう! 村人A! 超合金で出来た宇宙船の乗り心地は!」


「いいんだけどさ。なんで俺が運転しなきゃいけないんだよ」


「仕方ないでしょ! 宇宙船の講習受けたのあんたしかいなかったんだもん!」


 ここは宇宙の大海原。俺たちはひょんなことから宇宙旅行に出ることとなった。


「あっ、海王星が迫ってきてるわよ! 回避、回避!」


「はいはい。回避ね」


 ……回避ってどうやるんだ?


 海王星に直撃したぁぁぁ!


 船内がグルグルと大回転。酔って回って村人Bの顔に俺の吐瀉物をぶち撒けた。


 おまけに宇宙船から煙が上がっている。


「ちょっと! あんたどうするのよこれー! 煙出てるじゃない!」


 村人Bは吐瀉物を纏いながら俺に文句言ってくる。


「運転のやり方分かんねえから仕方ないだろ!」


「あんた、宇宙船の講習六日受けたんでしょ! なんでこんな下手くそなのよ!」


「逆に聞き返すけど、車の講習六日受けただけで運転免許証取れると思うか!?」


「取れるわよ! あたしがそうだもん!」


「仮免だろボケナスが!」


 運転の制御が効かん。なんなら多分ガソリンも漏れ出ている。詰みか。


 待て待て。取り乱すな。こんな時のために脱出ポッドがあるはずだ。ひとまず取扱説明書を読もう。



◇数時間後



 あちこちから爆発が起きてるが、大体操作方法は分かったぞ。あとは実践だけだ!


「よし、村人B。ポッドに乗り込め!」


「ごめん村人A、時間無いからあたし一人で行くわね!」


 村人Bは一人でポッドを使い、颯爽と宇宙船から脱出していった。


 なるほどなるほど。


 終わったわ。


「チョレパチョレパオワッタワ! ハイハイ! ヤケクソ音頭オワッタワ! ハイハイ!」


 こうして、地獄の漂流生活がスタートしたのだった。

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制御不能宇宙船 道楽byまちゃかり @macyakari

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