俺は弟を殺した。


故意では無かった。ただ、自分の怒りを制御できなくて、皿を投げつけた時には、すでに息絶えていた。


俺と弟は、表面上は仲の良い兄弟だった。近所の人たちの間では、俺は<頼れる兄貴>で、弟は、<可愛い弟さん>だった。だから、弟が死んだ時にも、俺が疑われることもなかった。


そもそも、弟にあたって砕け散った皿には、指紋がついていた。そのことから、そもそも俺は疑われようがなかった。


俺は元々手の肌荒れがひどくて、いつも手袋をつけていた。


弟に皿を投げつけた時は、手汗がひどく、手袋を外していたため、<謎の指紋>がつき、正体不明の殺人事件となった。

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昼の悪魔、夜の天使 ピザまん @tasogarenou-tann

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