第6話

父さんが自衛隊員を連れて戻ってきた。隊員は遺体と遺品を迅速に回収していく。

よくある事なのか顔色ひとつ変える事なく作業をして帰って行った。


「お前達もああなるかもしれない、それでも続けるか?」


「オレは探索者になりたい。死ぬ覚悟はできないけど、死なないために努力して、最後まで足掻いて生きる!」


「わたしも!」


そう言うと、母さんと父さんは顔を見合わせて、苦笑いをして納得してもらったのか頷いた。


「よし、それじゃあ小鬼からマナ結晶の取り方を教えるから自分達でやってみろ」


そう言われたので、ポシェットからゴム手袋と解体用ナイフを取り出し、恐る恐る小鬼の心臓付近を切って手を突っ込んだ。手袋越しから伝わる生暖かさに吐き気と不快感に襲われるがなんとかマナ結晶を取り出すことに成功した。妹もなんとか取り出すことに成功している、、ゲロを吐きながら、、汚っ。まあオレもゲロを吐きそうになったから仕方ないか、、。


「まあ最初は大体ゲロ吐くから仕方ない、レイほれ、水だよ」


レイは水を受け取ると口を濯いでなんとか我慢している。


「これはやりたくない!お兄ちゃんが次からやって〜」


「いや、嫌だよ。お前小学生の時に釣りはしたいけど餌はつけたくないってさんざんオレに付けさせやがったこと忘れてないからな。」


「ぶーーー」


「レイちゃん、これは探索者としてやらなきゃいけないことですよ、それにそれひとつ500円しますよ」


「やったー!500円!20体倒せば諭吉だ!がんばる!」


なんとか父さんが説得してくれた。よかった。オレも結構嫌な作業ではあるが500円か、、頑張れるな。


「よし、次行くぞ、今日中に階位上げたいからな」


そうなのだ。最初の階位上げは激痛を伴うので母さん達に付き添ってもらってるが、明日からは二人で行かないといけない。今日中に上げないと、、、それに固有スキルももらえるから楽しみだしな。



「3体いるな、いけるか?ミナト、レイ」


「いけるよ」 「大丈夫!」


洞窟を進んで、順調に小鬼を殺してきたのだがなかなか階位が上がらない。平均1人小鬼を5体倒せば階位が上がるらしいが、俺達はもうすでに17体は倒している。だんだん不安なっている俺たちに対して、母さん達は大丈夫だって笑顔で言ってくるが。


「レイ、一体だけなんかデカくない?」 「ほんとだ、、にいちゃんくらいあるね」


小鬼が俺たちを発見して、鬼の形相で走ってくるが、一体だけ170センチほどある。


「あれは中鬼だな、、危なくなったら母さんが助けるからやってみろ」


「俺達まだ階位上がってないのに、、レイ覚悟決めろよ」


「わっわかった!」


俺とレイは2対の小鬼とのすれ違い様に小刀で首を掻っ切って、レイに棒を投げ渡す。


「レイ!顔だ!」


ミナトがそう言うとレイは中鬼の顔面に突きを放った。見事に人中を捉える


「ギャァーー!」


中鬼は後ろによろめいた。瞬間、ミナトは中鬼の股間を蹴り上げ、踞ろうと鬼が顔を下げると同時に頭を掴んで膝蹴りを顔面に決める。レイは中鬼の後ろに回り込み、首筋を小刀で切り裂いた。


ドサッ


中鬼が倒れる。


俺はちょっとやりすぎてしまったと思い、母さんと父さんに振り返るとめっちゃ引いた顔をしていた。


「よっ、、よくやったな、、それにしてもなかなか容赦なかったな、」


「頑張り、ましたね」


「お兄ちゃん、、股間の後、顔面膝蹴りはやりすぎだよ、」


「いやいや、お前もその隙に後ろに回り込んで首を中程まで切り裂いてるじゃん。」


「まあ、よくやった。ミナト、レイ体調どう、「「ぎゃぁーーー」」 ダメか」



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俺は戦闘狂になりたい! ハイ雷斗 @minamotogenking

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