第5話
探索者協会から歩いて5分。バリケードで囲まれた堅牢な建物が建っている。建物の入り口には自衛隊が警備をしていて、探索者達は登録カードを専用の機械にかざして中に入っていく。俺たちも仮登録の紙を自衛隊員に渡し、建物の中に入って行った。
これが迷宮か。よく動画サイトで見るのだが実際、目で見るのとでは迫力が全違うな。
直径10メートルの浅黒い渦が空中に浮かんでいた。
「よし、入ろう」 「うん」
ミナト、レイ、母、父の順で迷宮の中に入っていく。生暖かい膜を抜けたと思ったら、一気に景色が変わった。目の前には半径5メートル、半円の洞窟が広がっている。天井は10メートルほどの高さがあり、光っている鉱物が洞窟の中を照らしていた。
「少し待ってろよ」
母さんがそういうと、目を閉じて数十秒微動だにせずにいた。
「今あかねさんは彼女自身のマナを広げて魔物を探しているのです」
と、父さんが説明してくれた
「見つけた、20メートル先、ちょうど2体いるな。よし、ミナト、レイ出番だぞ」
「よしゃ、行くぞレイ」 「はーい!」
駆け足で向かっていくと150センチぐらいの人型の魔物が何かを貪っている。
「!!!、、おにいちゃん、あれって、、」
「、、多分探索者だ、、俺たちと同じで初めてゲートにはいったんだろう、、」
もうただの肉片になった人だった物を見ると吐き気を感じる。
「レイ、今のうちにあいつらころすぞ。俺が先に仕掛けるから、フォローにはいってくれ」
「わかった」
オレは棒を構えながら小鬼に息を殺しながら近づいていくと、一体がオレの方に振り向く。即座に振り向いた小鬼に対して喉めがけて棒で突きを放ち、もう一体の首元を蹴り抜く。蹴られた小鬼は立ちあがろうとするが、その隙にレイは小刀でそいつの首を切り飛ばす。ミナトは喉を抑えて苦しそうにしている小鬼の頭頂部めがけて棒を振り抜いた。
「ふぅ、初戦は大丈夫だったな、レイ大丈夫か?」 「うん、私は平気。でもこの亡くなった探索者の遺体はどうする?」
「それは、母さん達に聞かないとな、、」
二人で話しながら待っていると、母さん達が到着した。
「ミナト、レイ大丈夫か?この遺体は、、そうか」
「私は自衛隊に報告してきますね」
そう言って父さんは迷宮の入り口の方へと戻って行った。
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