第4話

車に乗ること30分、目の前には30階建のビルが鎮座している。新宿ゲート前探索者協会だ。ようやくだ。母さんの探索者の姿を見て将来は探索者になることを妹と約束していた夢が現実になるのだ。


「ようやくだね!お兄ちゃん!」


「ああ!そうだな!」

普段は感情を表に出すことが苦手な俺でさえも、この瞬間は胸の高鳴りが抑えられなかった。


「よし、先ずは仮登録しに行くか」


母の言葉に従いビルのエントランスへと入っていく。エントランスを抜けると、仮登録、登録窓口と書かれいているところへと向かう。


「探索者協会のご利用有難うございます。本日は………あれ十条さん?」


「どうもお世話になります、加藤さん。今日はうちの子供達の登録をするために伺いました。」


「そうなんですね。がんばってね!あっ、、では、こちらの用紙に記入をお願いします」 



一通り手続きと説明事項を聞いて、仮登録を済ませた。


「よし、仮登録終わったな!じゃあ10分後に更衣室の入り口に集合な!レイ行くぞ」

「うん」


「では、ミナト君参りましょうか」

「うす」


更衣室で装備を身につけていく。一月前に買った上下セットで買ったジャイアントスパイダーの糸で作られた衣服だ。生地は薄いので打撃には弱すぎて死ねるが、防刃性はある。次に全て魔物の皮と魔鉄で作られたガントレット、胸当て、ブーツを身につけていく。魔鉄はマナを通せば、より頑丈になるため、初心者装備の倍の値段がする。そのため今までコツコツ貯めていた貯金は全て使い果たしてしまった。まあいい。先行投資だ。妹も同じように貯金が無くなったらしい。武器は父さんから借りたトレントの棒と今日もらった短刀だ。トレントの棒は炭色で、わずかに光沢を帯びてる。マナの通りも良く、マナを通せば鉄より頑丈らしい。将来的には槍や、刀、あと拳で戦いたいが、どれを使うにしても棒術が基本と母さんに言われたので、今まで格闘術と棒術を中心に修行して来た。準備ができたので父さんと更衣室を出るともうすでに妹と母が待っていた。


「お兄ちゃんおそーい!」


「わるいわるい じゃあ行くか」

 

「おーう!」


そして俺たちは新宿ゲートに向かうのであった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺は戦闘狂になりたい! ハイ雷斗 @minamotogenking

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ