Re:すーさいど♡どりーむ

珈色かぷち

第1話 夢、下駄箱、そして月。

「月が綺麗な夜だなぁ…」

月にうさぎはいるんだろうか?それとも猫や犬なんかがいたりして!

「そんなことよりも早く寝なくっちゃ!むにゃむにゃ……」


ーーーーー


不思議な夢を見る。

戦う少女と…戦う自分。金髪の男の子がいて…


「はっ」

……なんだったんだろう、今の夢。


ーーーー

私はカナ。高校1年生!

一人暮らししながら毎日学校に通ってるの。

「う〜ん、やっぱりトーストにはジャムだよねぇ」

朝ごはんを食べながらニュースを見る。

『ニュースです。ここ数ヶ月で全国で自殺者の数が急増しており、警察は自然災害になんらかの原因があるとみて捜査を進めております』

「物騒だなぁ」

自然災害……?自殺と自然災害に関係が?どういうことなんだろう。

うちの学校でも別クラスの子がこの間学校のビルから飛び降りてしまった。

「今日も平和な学校生活送れるといいなー」

むしゃむしゃとパンを食べ終えると、食器をさげて学校へ行く準備をする。

「前髪よし、リボンよし。今日もビジュ完璧!」

鏡に映るにっこりと笑う少女は今日もかわいい!

「それじゃ、いってきまーす!」

誰もいないリビングに響く声。いつもの通学路へと向かう。

?「おはよー、カナ!」

カナ「おはよう、アユー」

通学路で出くわしたのは毎日一緒に登校している、幼馴染のアユだ。アユとは小学校からの仲で、最も仲がいい友人といっていいだろう。

アユ「あっ!カナ、明日までの宿題終わってる?」

カナ「ぎくぅ!お、終わってないデス……」

アユ「やっぱり。しょうがないな〜おれの移させたげるわ!」

カナ「う、うわぁあ天使〜〜!ありがとうアユ〜!!」

思わずアユにぎゅっと抱きつく。

そんなこんなしてると学校についた。

カナ「ねえアユ、今日はユウ先輩いないのかな?」

アユ「あー、カナが大好きな人?おれも最近見てないなあ。あの人いつもみんなより早く来てるらしいしねー」

カナ「そっかぁ。一回は声掛けてみたいんだけどなぁ…」

そう、私には大好きな先輩がいる。入学式で一目惚れしたユウ先輩!

いつもいつも声をかけたくてもかけられないまま、最近は学校で見かけなくなっていた。最近物騒なニュースも多いが、大丈夫だろうか?

アユ「カナちゃんの恋、応援してる!」

カナ「えへへ、ありがと」



そんなこんなで校舎に入る。

下駄箱を開けると、なんとそこには。一枚の紙きれがあるではないか!

「ええ……んっと……」

内容を恐る恐る見てみる。

『リボンの持ち主は おまえか?』

……?リボン?なんのことだろう…変なの。

アユ「カナー、どうした?靴履くの遅くない?」

「ううん。なんでもない!

まあいっか、教室向かお!


ーーーー


起立、礼。

「「ありがとうございましたー」」

さてさて帰ろうっと。アユは今日帰りに用事があるみたいで一緒に帰れないから、今日は1人だ。

そんなこんなで帰路につく。

信号待ち。赤信号……

すると目の前に猫ちゃんの姿が!


「あぶないっ!!」

轢かれそうになっていた猫の前に咄嗟に出る。危うく轢かれそうになったが、トラックは目の前で停止した。

「猫ちゃん…大丈夫?」

「にゃー」

この猫ちゃんがつけてるリボン…私がずっとつけてるキラキラの宝石がついたこのリボンにそっくり。それにこの鍵、なんだろう?

「にゃー……」

「なんだか元気が無さそう…トラックには轢かれなかったけど前足に怪我もある。うちに連れて帰ったほうがいいかも…」

「にゃ……!」



「今日は満月だぁ…!」

カーテンをばっと開けてベランダに出る。猫を抱き抱えたまま月を眺める。

「ねえ猫ちゃん、月が綺麗だよ。そうだ、あなたの名前はルナ!ルナよ!」

「にゃにゃー!うにゃ!」

「え?なんだか不満そう…もしかしてちゃんとした名前があるの?でもわかんないしなぁ…今はルナって呼ばせて?」

「うにゃ」

納得したみたいだ。

「ねえルナ、私学校に行ってる間は帰ってこれないけど必ずこの家に戻ってくるからね。だから、これから毎日よろしくね!」

「にゃ!」

猫とハイタッチをする。賢い猫だ。

なんてことのない一日が今日も終わった。

明日も平和な日でありますように。

「ルナ、おやすみ〜」

「にゃ〜」


そう、昨日の私はまさかあんなことが起きるとは思っていなかったのだーー。

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