第47話

「…ねぇ、爽?」


「なあに?萌」



今は帰り道。私は伝えようと思った。



「爽、はさ。紫陽花の総長、でしょ?」


「うん。そうだね?」


「なら…紫陽花のたまに戦わなきゃ、だよ。…ね?私とは、いつでも居られるし、それ以外は…紫陽花に行ったら?」



そう伝えた。


だけど、その時の爽の顔と言ったら、冷たかった。今、真冬なんじゃないかってくらい。


…だから私、逃げちゃった。


絶対逃げちゃダメだった。


でも、怖かった。


また明日、爽にちゃんと話そう、そう決めた。

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そこまで 藤 みより @Sa2614mmhh

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