第2話紅い紅い満月の晩
こわいゆめをみた
わたしは逃げようといったのに
あなたが殺せというから
ころしたの。ばらばらにしてやったわ…
追いかけっこをしても捕まらないから
懐に入っていたボールペンを投げつけてやった
適当になげただけなのに あたってしまったわ
踏み抜かれた蛙みたいにぴくぴくしていたから…
ひどいと思わないでね…いたく愉快だったの
あ。りがと、う…
「んっ…!!」
またこの部屋だ再スタートを要求されたらしい
あーあ…つまんないな…
飽きもせず
一切の手を緩めず
慈悲深さの欠片もない
馬鹿みたいにでかい重機械はあいも変わらず馬鹿みたいな音を立てながら
とても大きな熱量を伴った殺気立った光を私に放つ
「ねぇ!…きいてるでしょ!?」
「返事してよ…」
声はむなしくデカブツの前でチリチリになってしまった
(よっ!お寝坊さんっ)
最近わたしはこのちっさな豆粒が
幻覚なんじゃないかって気がしている
別にどっちでもいいの
助けてくれたらそれでいいのよ…
(キミは他力本願なところがあるねっ)
(でも…まぁいいや助けてやるよ無気力女)
また視界がぐらついた
もう両の手両の足髪の毛まで足しても数え切れない受動的な挑戦
「今度こそうまく行けばいいなぁ…」
夕凪の境 @39ad
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