第7話危険な女子高生
委員長の母親の長谷川と別れてから、特に何もなく終わると思っていたところ少し男達が騒いでいる声が聞こえたので、辰馬は走って向かった。
(確かに、この辺で声がしているのだが…いたいた)
辰馬が声の主の場所へと現着した。
(なんだ…こんな夜更けに女子高校生がダンジョン周りにいるなんて不用心だな)
「君って高校生だろ?ダメだよぉこんな場所に居たら危ないよ。俺達と一緒に来てよぉ少しいい事しようぜ。直ぐに気持ちよくしてやるからよ」
男達は、かなり酔っているようで理性を失っているようで、ゲラゲラと笑っていた。
対する脅されている女子高生の方は、余裕なのか不敵な笑みを浮かべていた。
容姿は黒髪ロングのストレートで両側に赤いリボンをつけており、男の平均身長と同じくらいに背が高く、切れ長の目をした美少女であった。
制服からも押し上げてくるほどに胸が大きく、スカートからは魅惑的な美脚が伸びていた。
(あ…なんで、この人がここにいるんだ?)
辰馬は女子高生を知っていたので、少し物陰に隠れて様子を伺っていた。
女子高生は、一瞬此方を見てニヤッと笑い男達の方へと視線を向け話しかけた。
「はい!高一で、南郷理沙です、よろしくです!それと私が貴方たちと一緒に行って、ご奉仕すればいいんですか?」
理沙は軽い雰囲気で返答した。
3人の男達がそれぞれ話した。
「そーだなぁ、なんだ乗り気じゃないか。可愛いもんな、結構やりまくってるんだろ?」
「そうだな、可愛すぎだろ・・・滅茶苦茶キスしてやりまくりてぇ」
「あぁ、しかも胸デカすぎるだろ。何カップ?」
「えーこれでもキスもエッチも未経験なんですよ!あ、おっぱいはFカップですよ!ほら、走ると揺れるから痛いんですよ?それと貴方たちエッチしてもいいですけど条件があります」
男達が理沙の胸に釘付けになりながらも男の一人が話す。
「なんだよ、ゴム付けろってか?」
理沙は二本背負っている竹刀袋から一つを取り出し、木刀を取り出した。
「違いますよ~条件は私と勝負して勝ったらいいですよ、三人纏めてでいいですよ」
「俺達は既に二階層で活動しているんだぞ?怪我させちまうよ」
「兄貴~怪我させた相手抱くのは少し萎えちまうよ」
「俺もそうだわ、だったら三人で無理やり拘束して連れて行こうぜ!」
「「「賛成」」」
男達は各々構えて、理沙を捕まえる気のようだった。
(流石にヤバい展開になってきたなぁ。理沙は相変わらずなようで…)
「じゃ、契約成立ってことで!私も実家から出て少し溜まってるので発散させて下さいね!」
理沙は木刀を構え、先ほどの可愛い笑みを浮かべていたが真剣な表情に変わった。
(相変わらず切替の速いよなぁ。俺も見習わないと…)
「へへ、一番乗りは俺だ!」
男の一人が探索者の能力の一つである身体強化し平均男性の二倍以上の速度で理沙に迫る。
理沙は木刀で迫ってくる相手の顎目掛けて右斬上をした。
辰馬の目から見ても綺麗なカウンターであった。
「下あごに完璧に入りましたので、意識を保てないはずですよ」
攻撃を受けた男はフラフラとしていたが、追撃で理沙に顔面を木刀で突かれて顔面電柱に叩きつけられた。
(眼球は大丈夫だろうが、骨折は免れないだろなぁ、痛そう…)
「兄貴、どうします?固有能力の方も使いますか?」
「あれはアイツが油断したのであって…二人で掛かれば問題ないだろ?」
残りの二人が咄嗟に固有能力を出そうか悩んでいたが、その隙を逃すような甘い女ではない理沙が迫撃を与えた。
明らかに女子高生の身体能力ではない速度で、男へと迫り木刀で連撃を与えた。
(袈裟斬りから左斬上からの切落で三連撃だなぁ。さっきの男より骨折範囲が広いなぁ・・・)
辰馬は隠れながら男達が少し可哀そうに感じていた。
「うぅ……」
男が痛みで動けないようで、そして意識を失った。
「最後のお一人様ですね。勝てたら私の身体一人占め出来ますよ?」
理沙は目が笑っていないが、口だけが笑っており少し不気味な笑みだった。
残ったのは兄貴と呼ばれていた男だ。
「もうお前を潰してから徹底的に犯しつくす」
「漸く能力使ってくれるんですか?つまらないので早くして下さいよ、準備運動にもなりません」
(理沙は以前会った時から、かなりの戦闘狂だからな。あの家なら全員がそうだけど…)
男が能力を発動させたのか強い魔力の波動を出した。
男の頭上に火の球が表れた。
「俺の能力は火球を作る能力だ、スピードに自信があるみたいだが、この距離なら外さないぜ。木刀で受けても燃えるから無駄だしなぁ!」
男が理沙に向けて火球を放った。
理沙は居合の構えをして、迫る火球に居合切りをした。
理沙の斬撃速度が異常に速いからか木刀は燃えずに火球は切られて霧散していった。
男が予想した結果と違うから身体が固まった。
「な……!」
その隙を逃さずに、居合切りの時と同じ速度の斬撃で脳天に切落をした。
男が木刀からの衝撃で顔を地面に叩きつけられ、意識を失った。
(実力差が大きいから呆気ない戦いだったなぁ)
「ん~こっちの探索者もこのレベルかぁ…、つまらないなぁ。あ、忘れないうちに魔石壊さないと!」
理沙は、無表情で男の身体を何度も木刀で叩きつけながら魔石を探していた。
見つけると少し威力の高い攻撃で魔石を破壊し、男の叫び声が聞こえ光を放っていた。
男達全ての魔石を破壊し満足したのか無表情な顔から緩い雰囲気に戻っていた。
(意識失ってるとは言え男達が凄い可哀そうだよ…。それと理沙は雰囲気に惑わされてはいけないが、戦った相手に容赦が一切ないんだよなぁ)
理沙は背伸びしながら辰馬が隠れている方へと歩み寄ってきた。
「ん~そこで隠れてる人、欲求不満な私と一緒にエッチしますか?」
(やっぱりバレてるよなぁ)
辰馬は物陰から出て、理沙に挨拶した。
「久しぶりだね、理沙。去年に鹿児島で会った以来だね!」
理沙は俺にニッコリと明るい笑顔を向け話す。
「そうですね!先輩、お久しぶりです!」
現代にダンジョンが出来ても探索者になりません @sige02
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