sideシーラ
ルーンに素敵だと言われて緊張がなくなった。
大丈夫、私の親友が素敵だと言ってくれているんだから。
ルーンは会場の大きな扉の前に立つと私の頭にかけているベールを降ろす。
私たちが前を向いた瞬間、扉は開かれて愛しい主人が振り返った。
ナイト…本当に格好いい。
ナイトは私の姿を見て顔を赤くし少し笑う。
駆け出して行きたい気持ちを抑えて、ルーンとゆっくりナイトの方へ歩いて行った。
ルーンとナイトの側へ行き、ルーンが私を手放す、その時にちゃんと聞こえた。
「どうかお幸せに。」
私は頷き、愛しいナイトの手を取った。
ナイトは私を祭壇の前に連れて行く。
もちろん、神父様はこの人しかいない。
「僕は神父様じゃないから、僕自身の言葉で誓いを立ててもらうよ?」
ルーク様がにっこり笑うとナイトも笑った。
「あぁ、頼んだぞ。」
「任せて。
ナイト、君はいつどんな時もシーラを愛し慈しみ守り死が二人を分つまで幸せにすると誓いますか?」
「あぁ、誓う。」
ナイトが答えたから次は私の番ね。
「シーラ、僕の友をいつまでも愛しその優しさで守り抜くことを誓いますか?」
ルーク様は私にナイトを守って欲しいと、そう頼んでいるんだ。
もちろんよ、ルーク様。
「誓います。」
私はこの先、何があってもナイトを守っていくわ。
ナイトは私の命よりも大切な人なんだから。
「誓いのキスを。」
ルーク様がそう言うとナイトが私のベールを優しく上げた。
そこではっきりと見える幸せそうなナイト。
あなたのそんな顔が見られて本当に嬉しい。
「この世の何よりも美しいな、俺の花嫁は。」
「ナイトの妻になるんだから当然よ。」
私の答えを聞いてナイトが愛おしそうに笑ってくれた。
「シーラ、愛してる。」
「私も愛してるわ、ナイト。」
愛を感じ合い、今までで一番幸せなキスをして私は…
「ここに二人を夫婦と認める。
どうか、末長くお幸せに。」
あなたの妻になった。
***
これは私とナイトの甘い恋のお話。
世界で一番幸せになった人魚の物語。
これを読んでいるあなたにも、どうか幸せが訪れますように。
囚われた人魚は公爵様に溺愛される 花ノ音 @hanano_oto
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