巨大生物の雨の日常

光を感じて覚醒する。ふと上を見上げると、上から水が降ろうとする状態になっていた。まだ降ってきてないが、いずれ降ってくるだろうな。


降ってきたら、私はそれを好ましく思う。涼しいからだ。特に今は暑さの対処に追われている。


まだ本格的に暑くなってないから大丈夫だが、本格的に暑くなると踏み締める地面が熱くて動くのが億劫になる。


暗くなると幾分マシにはなるが、だからといって暗くなるのを待ってから動くというのも、何処を歩いてるのか分からなくなるから、悪手と言っていいだろう。見えたらいいのだが、光が無くて何も見えない。


何より背中に住む生物が暗い時の活動量が消極的に感じる。動いて何かあっても出てこられない可能性を考えれば暗い時は動かないのが良い。


そう考えながら歩いていると水が降ってきた。そこそこの量だ、この分だとしばらくは歩いても暑く感じないだろう、今のうちに水場に向かうとする。


ふいに音が聞こえた。ご飯の音だ。背中に住む生物は律義にご飯の用意をしてくれる。有り難い存在だ。ただ背中に住む生物はこの水が降ってる状況は得意じゃないのか、降ってない時と比べると遅く感じる。


だが何もしないで用意してくれるのだ、そこまでの欲は出さないでも良いだろう、結局はご飯に有りつけるのだから。


それにこの水が降る状態、常に水が飲めるので私としては常に降っていてほしい。それなら暑い時期も水場に行かなくて済む。


まあ降らずに暑い時期もある。ぼやいてないで食べ終わり次第、水場に向かおう。何だかんだで背中に住む生物も水場に行ってほしいそうだからな。


だが寝る合図がでた、ならばここで寝よう。水が降る状態の時は背中に住む生物は降りて光を照らさない。だが私を狙う存在はこの状態を苦手とするのか現れない。だから堂々と寝よう。


寝る。

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巨大生物と背中に住む人間と共に過ごす日常 のんびりした緑 @okirakuyomu

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