第3話錬金術との出会い

「錬金術って、物を生み出す事ができるやつよね?」嵐が降り注ぐ

 森の中にある小屋で、私はフランヌと名乗る。謎の少女に錬金術の

 事を知っているかと聞かれた。【錬金術】本に書いてあった事に

 よると。錬金術とは、思想や哲学などこの世の理をもって

 物だったり。物質を生み出し。それで、私達の暮らしを豊かに

 してくれる。その時の私の錬金術の解釈はふんわりしていた。

 「錬金術ってね。面白いの。条件さえハマっていれば。どんな物を

 生み出す事ができるの」「はぁーそうですか・・・・・・」呆れ顔に

 なる。私に、フランヌは話続ける。「まぁ、生み出すのは。それなりの

 対価が必要なんだけどね」「どういう意味?」「つまりね。あなたが

 今持っている。そのキノコを錬金術で、生み出そうとするとね。

 キノコを生み出すのに必要な同等なもの。あるいは、それにふさわしい

 何かが必要なの」「ふ~ん~そう、なんだ・・・・・・」半分以上

 何を言っているのか。わからなかった。「まぁ、私も本で読んだ事を

 喋っているだけなんだけどね」なんだよ。お前も、本の知識を

 喋っているだけかよ。心の中で、私はそんな事を思っていた。

 「でも、そのキノコを使っても。あなたのお母さんは、よくはならないわよ」

「はぁ?何で、そんな事がわかるの?」私は、かなり強い語気で聞いてしまった。

「だって、私もそのキノコを使用した。薬をお母さまに飲ませたの。

 それで、お母さまは飲んで数時間で死んだわ。そのキノコは毒キノコなの」

 毒キノコ?私が、今手に持っている。【エタノイド】が毒キノコなの。

「そんなの嘘だ」「嘘じゃないわよ。本当よ」「だって、だって、本に

 書いてあったんだ。エタノイドを使用した。薬を飲めば。どんな病気も

 魔法のように治るって・・・・・・」そうだ。私が読んで調べた。

 本に書いてあったんだ。そう、書いてあったんだ。間違っているのは

 きっと、きっと・・・・・・。私が、フランヌに反論しようと

 頑張って口を開こうとした。その時だった。「そんな、魔法のような

 キノコがこんな森の中にある訳がない。そうでしょう」フランヌの

 言葉で口を籠らせた。その言葉が、私の心の中にどっしりと重くとどまる。

 「この世界に、奇跡とか。魔法なんてもんはない。そう、私は思う。

 でも、自分で、奇跡を生み出す事だったら。できるかもしれない。

 錬金術なら。錬金術なら、できる可能性があるかもしれない」

 「錬金術・・・・・・」錬金術の言葉に、私は反応する。

 そして、フランヌが私に手を差し出した。「一緒に奇跡を生み出しましょう」

 と言葉を添えて。なんで、今日初めて会った。私に、そんな事を言いだすのか。

 そんな事を考えている暇はなかった。そんな事を考えるよりも、私はフランヌの

 一緒に奇跡を生み出そう。その言葉が、妙に心の中に響く。

「私に、錬金術を教えて」「ええ、私が知っている事を全部教えてあげる」

 私は、フランヌの差し出した。手を強く握った。これが、私とフランヌと

 錬金術との出会いだった。

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