面白いアイデアだと落選する!?
IP小説部門は、アイデアを測る賞という触れ込みです。
IP小説部門でもっとも評価されるのはそこであり、私などは、この賞では斬新なアイデアでなければ何の評価にも値しないのだろう、と考えていました。
しかし、自分の応募した小説は、お世辞にもアイデアに優れた内容とは言い難いものでした。
本来なら、もっとずっと尖ったアイデアの小説を送りたいと思っていました。この小説賞で、そこが一番燃える部分だと思いますし、だれも読んだことがないような斬新な設定で、審査員を唸らせてやるぜ、とか考えていました。
何の変哲もない平凡なファンタジー小説を送ったのは、あくまで締め切りまで間がなかったためであり、次回の選考には、とっておきの異色作を送ってやろう、などと思っていたのです。
しかし、あらためてダッシュエックス文庫について分析し、IP小説部門のねらいを考えた結果、まったく別の考えが浮かんでくるようになりました。
自分の作品が3次選考まで残ったのは、斬新でも何でもない平凡な内容だったからなんじゃないか?
というかこの小説賞、斬新なアイデアの作品とか送っちゃダメなんじゃないか?という考えです。
小説賞は、あくまでビジネスパートナーとしての人材を見つけるための投資です。
この場合求められる人材とは、確実に売れる見込みがある小説を書ける小説家です。
対して、斬新なアイデアということは、それは誰も見たことが無い作品ということになります。
誰も見たことがないので、斬新な小説は売れるかどうかがわかりません。
確実に売れないとも言い切れませんが、選考する編集者側が判断できないということになります。
その場合、斬新な作品は落選するのではないでしょうか。
もちろん、「お、面白すぎる……!こんなん絶対売れるわ!!」という作品も中にはあるでしょう。
しかしそういった作品も、さすがに冒頭20ページではそこまで判断できないでしょう。常識的に考えて。
というか奇抜すぎるアイデア送ってくる時点でビジネスパートナーとしては減点じゃないかと思います。
私が以前書くのを断念した作品に、
「同性婚が法的に認められた日本で、ロリ〇ンの男2人が偽装結婚し、少女を性的に○○する目的で養子にとるも、男の片割れ(主人公)の心に養女に対する情と父性が湧いてしまい、性的○○なんてとてもできないと泣きを入れるも、相方からそれなら代わりの女を連れてこい、と脅され、嫌々その辺の少女を尾行していたらその少女が別のロリ〇ンに暴行されかかっているところを目撃してしまい、華麗に助け出した結果その少女に信頼され(というか惚れられ)、ますます手なんか出せないよ、と困っているところに実は養女は養女で主人公に対して禁断の感情を抱く犯罪者気質のサイコパスであることが判明して三角関係に……」
というのがあったんですが、コレ応募したら確実に落ます。断言できますね?
どれだけ斬新な内容でも、絶対に1次選考も通らないでしょう。というかこんなの送ってくる相手と仕事しようって気にならないと思います。
斬新なのも奇抜なのも良いですが、相手が(この場合読者と出版社が)望んでいるものをお出しする、という基本を違えてはいけないということです。
なので結論として、「IP小説部門では斬新すぎる作品はほぼ落選する」ということが言えるのではないかと思います。
もしIP小説部門に応募された方の中に、「1次で落選してしまった……アイデアが平凡だったか……」と考えている方がいるとしたら、その推察は間違いです。アイデアが平凡でも落ちません。
逆に、「こんなに面白いアイデアなのになんで落ちるんだ」という方は、アイデアが面白すぎて落選している可能性があります。
という訳で、対策としては、斬新すぎる設定や展開のアイデアは避けるということになるかと思います。
テンプレでなければダメ、などという話ではなく、
・いかにも売れそうな
・ラノベらしい内容で
・それでいてちょっと目を引く
・魅力的な冒頭
が求められているということでしょう。……いや難しいな!?
まあ、斬新な内容にするにしても限度を考えましょう、という話です。
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