応募した小説のあらすじ
剣を弾き飛ばされ、少年が立ち合いに敗れる場面から物語は始まる。膝をつき、うなだれる少年。彼を打ち負かしたのは、彼よりも小さく華奢な少女だった。
アグニアス辺境領、東方大連峰の麓にある寒村の子供たちは、いつか騎士となって成り上がることを夢見て、毎日剣術の稽古に明け暮れていた。村長家の四男であるシティスもその一人だったが、ある日彼は高慢な長兄と立ち合い、相手を打ち負かしてしまう。
それは村内の秩序を乱す行為であったため、彼は家族にうとまれ、村内で孤立してしまう。だがそもそも偏屈で頑固な少年であったシティスは、むしろそのことでますます剣術にのめりこみ、たった一人で孤独に剣の稽古を続けるようになる。
ひとり剣を振り続けるシティスに、ある日、一人の子供が声をかけてくる。最近村に移り住んだよそ者の少年(本当は少女)が主人公を剣術の稽古に誘う。
ススルスというその少年(少女)は、よそ者という出自から同じく村内で孤立しており、村の子供の稽古に混ざることもできなかったため、シティスを誘いにやってきたのだった。
押しが強く明るい性格のススルスに、不愛想ながらも面倒見の良いシティスは、つい世話を焼いてしまう。結局一緒に稽古をすることになった二人は、程なくして友人になるのだった。
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