第8話

【陽香side】


店を後にし待ち合わせ場所へと向かう

あの人に会えたからか、足取りは軽くスキップしたくなっちゃう!


「陽香」

私を呼ぶ声がする方向に顔を向けると相手を見つけ

『パパ!』

小走りで駆け寄るとその人は優しく微笑んで

「ご機嫌だな。その様子だと会えたの?」

『うん。思った以上に素敵な人でビックリしちゃった!』

こちらに来て、ママを知る人と会えたのが単純に嬉しかった。私の知らないママを知ることができそうだ。

パパが少し複雑そうな顔をしてるけどそこは見ない振り。今日だけ許してね。


はしゃぐ私に後ろから頭を叩いてくる奴がいて

『いたっ』

「お前うるせー」

『理仁(りひと)!なんで叩くのよ』

「佇まいが煩いから」


理仁はパパの息子で、同い年。物心ついた頃から一緒に育ってきた男の子。

それで私の大事な人

いつもはツンツンしてるけど、ホントは優しくていい奴なんだ


「さぁ、帰るよ」

パパの一言に無理やり理仁に腕を絡めて歩きだす


「重たいんだけど」

理仁が機嫌悪そうに呟くけど、ホントに嫌なら振り払われるもんね

『いいでしょ?そうしたいもん♪』

「……」

無言の承諾ってやつだよね?


途中また理仁に怒られたりパパに慰められたりしながら、家路についた



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