第6話
『あ!私だ!』
制服のポケットからスマホを取り出し
『もしもーし、パパ?』
会話の様子から父親だとわかる。
そうか、パパか、そうだよな。子どもがいるんだもんな。
彼女が選んだ相手は気になるがもう自分には関係のないことだなと考える
『うん、もう戻るよ、じゃぁね♪』
電話を切った女の子がさぁまた話を、といった表情でこちらを見てくるので小さくため息をついて
店のカードの裏に連絡先を書き渡して
「ここはダメだがレストランに出勤してる日がある、そこなら場所もここよりはマシだしその日になら話を聞いてやるからここへ連絡してこい」
女の子はカードを受け取ると
『ようちゃん今時電話番号ー?』
おどけて笑う女の子にじゃあ返せと手を出すとウソウソ連絡するねとポケットにしまって
『じゃぁまたね。ようちゃん』
手を振り出ていこうとする女の子を見送ろうと、 カウンターから出ていけば
急に振り返った女の子が俺の側へ来て小さな声で
「はるかの"はる"はね、太陽の陽だよ」
そう言うと女の子は店から出ていった
最後に言った言葉を反芻してみる…
…なんだって?
とんでもない爆弾を残して、春の嵐のように女の子は去っていった…
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