第2話
あれから半年…
男はスマホを見つめ、小さくため息をついた…
画面には彼女とのラインのやりとり
彼女のからの最後のメッセージはもうすぐ着くよ…だった
あの日行った先で泣き叫ぶあの人をなだめ、抱きしめ安心させ、手を繋ぎ眠るまで側にいた…家に帰れたのは朝方だった。家に向かいながら電話をかけるも繋がらず、寝ているのかと思いながら戻ると家は暗く鍵がかけられていた
インターホンを鳴らすも応答はなく、もしかしてとポストを開ければ自分が渡した鍵が入っていた…
家に入れば人がいる気配もないヒヤリとした空気と、ダイニングテーブルの上に1本のワインが置かれていた…彼女が以前、一緒に飲もうと言っていたものだった
その日は特に気にもせず、待たせたことに気分を害して帰ったのだろうと、また何日かすればいつものバーにしれっとあらわれるだろうと思っていた。
しかしそれから、彼女が現れることは未だない。
何度か電話をかけたり、メッセージを送ってはみたが、電話は繋がらず、メッセージに既読がつくことはなかった。
あの日の彼女の様子を思い出す…いつものような飄々としたつかみどころのない様子とは違い、少し感情をあらわにしていた…「行かないで」と今にも消えてしまいそうな声が今になって頭から離れない。彼女はあの日、何を伝えたかったのだろう…
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