その欲しいは、流行?それとも、本心?
星咲 紗和(ほしざき さわ)
本編
私たちの日常には、さまざまな「欲しいもの」が溢れています。最新のスマートフォン、話題のファッション、トレンドのインテリアや雑貨。特に現代は、SNSやインターネットを通じて、常に新しい情報が手に入り、その結果、次々と「欲しい」と感じるものが増えていくように感じられます。私自身、ガジェットが好きで、新しい技術やデザインに触れるたびに、「これがあればもっと便利になるかもしれない」とか「これを持っていたら、なんだか自分がアップデートされたような気がする」と思うことがよくあります。しかし、そう感じた瞬間にいつも立ち止まって、自問自答するのです。「これは本当に自分が心から欲しいと思っているものなのか?それとも、ただ流行に乗りたいだけなのか?」と。
この問いかけは非常に重要です。なぜなら、私たちは往々にして周囲の影響やトレンドに流され、実際には必要ないものを「欲しい」と感じてしまうことがあるからです。流行りのアイテムや広告の影響で、まるでそれがなければ時代に取り残されてしまうかのような感覚に襲われることもあります。しかし、本当にその商品が自分にとって必要か、長期的に満足できるかを考えずに購入してしまうと、後で後悔することも少なくありません。そこで、今回は「欲しい」という感情に対して、どのように向き合い、賢い選択をするべきかについて考えてみたいと思います。
流行に流される心理とは?
まず、なぜ私たちは流行に流されやすいのかを考えてみましょう。人間には、他者とつながりたいという強い欲求があります。これは、進化の過程で培われたものであり、集団に属し、社会的な承認を得ることが生存に繋がっていたからです。現代社会では、この承認欲求がしばしば物やファッション、ライフスタイルに投影されます。「皆が持っているから私も欲しい」「周りが注目しているから、それに乗り遅れたくない」という心理が働くのです。
特にSNSでは、インフルエンサーや有名人が紹介する商品が瞬く間に人気となり、あっという間に流行が広がります。彼らが使っているものを自分も持つことで、同じような感覚やライフスタイルを手に入れられるのではないかと感じるのです。さらに、SNSは自分が「欲しい」と思っているものを常に目の前に提示し続けるため、どんどん購買意欲がかき立てられます。
しかし、流行に乗ること自体が悪いわけではありません。ファッションやテクノロジーのトレンドを楽しむことは、時に生活を豊かにし、刺激を与えてくれることもあります。問題は、その欲望が一時的なものであり、後から振り返ったときに後悔するようなものになっていないかということです。
「本当に欲しいもの」とは?
では、「本当に欲しいもの」とは何でしょうか?それは、単なる流行や一時的な感情に基づくものではなく、長期的に自分にとって価値があるものです。たとえば、新しいガジェットが登場したときに、その機能やデザインに惹かれるのは自然なことです。しかし、その商品が自分の生活や仕事にどのような価値をもたらすのかを冷静に考える必要があります。たとえ話題の商品でも、実際には自分の生活スタイルに合わない場合や、既存のもので十分代替できる場合もあります。
私は、物を購入する際に「5年後、これを手に入れて本当に良かったと思えるか?」という問いを自分に投げかけるようにしています。短期間で飽きてしまうものや、流行が過ぎ去れば興味を失ってしまうものは、本当に必要なものではないことが多いです。逆に、長く愛用できるものや、自分の価値観やライフスタイルに深く関わるものは、たとえ流行に左右されていなくても、購入する価値があると感じます。
賢い消費のための3つのポイント
1. 時間をかけて考える
欲しいと思ったものをすぐに購入するのではなく、一旦その感情を落ち着かせてから再度考えることが重要です。数日間、あるいは数週間後にその商品に対する欲望が同じであれば、それは本当に必要なものかもしれません。衝動買いを防ぐためにも、時間をおくというプロセスは非常に効果的です。
2. 代替品を考える
新しいものを購入する前に、既存のもので代替できるかどうかを考えるのも重要です。たとえば、最新のスマートフォンが欲しいと感じても、今使っているスマホがまだ十分に機能しているなら、買い替える必要はないかもしれません。また、他の似たような商品やサービスで同じ効果を得られるものがあるかもしれません。
3. 物の価値を見極める
購入するものが自分にとってどれだけの価値を持つかを見極めることも大切です。価格だけでなく、その商品が自分の生活をどのように豊かにするのか、長く使えるのか、他の物と比べて何が優れているのかをしっかりと評価しましょう。
まとめ
私たちは常に何かを「欲しい」と感じる存在です。しかし、その欲望が本心からのものであるかどうかを見極めることは、物質的な豊かさだけでなく、精神的な充足感にもつながります。流行に流されず、本当に自分にとって価値のあるものを選び取るためには、冷静に判断する力が必要です。そのためには、自分自身の価値観やライフスタイルを理解し、衝動的な購買ではなく、計画的な消費を心がけることが大切です。
次に欲しいと思うものが現れたとき、その欲望がどこから来ているのかを一度考えてみてください。それが流行に乗るための一時的な感情なのか、それとも本当に自分の生活や心を豊かにするものであるのかをしっかりと見極めることで、より充実した選択ができるはずです。
その欲しいは、流行?それとも、本心? 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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