第16話
病室に着くとベッドサイドには看護師さんがいて
「斉藤くん、面会の方がきたわよ。
よく見かけるけど彼女さんかしら。」
と言って微笑みながら立ち去って行った。
「なんかごめんね。彼女と間違えられちゃった。」
「こっちこそごめん。」
確かに毎日のようにお見舞いに来てたら彼女と思っちゃうよね。
「私は別に好きな人も彼氏もいないから大丈夫だけど、人気者の斉藤くんの彼女と思われちゃうなんて烏滸がましいくらいだよ。」
「水沢さん何言ってるの!
水沢さんだって人気じゃん。
お見舞いに来てくれたなんて言ったら羨ましがられるから。サッカー部のメンバーも怪我するのも悪くないなんて言ってるヤツいたくらいだから。」
いつも男子がヒカルの可愛さに釘付けになっているから私なんてついでに視界に入るようなもんなんだろうけど、
それでも斉藤くんの熱弁ぶりに
思わず顔が赤くなるのがわかる。
さらには
「もしかして、照れてる?
そういうギャップもいいよね。」
なんてさらっと言うものだから
余計に顔が熱くなる。
言われ慣れないことを言われるから、そんなの照れるに決まってる。
そういうことを、誰にでも何の気無しに言えちゃうところがまた人気を集めるんだろうけど。
私は照れ隠しに、
「もう、からかわないでよ。はい、これ!」
と預かっていたプリントと手紙を渡した。
secret letter オオキユイ @lily_yui
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。secret letterの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます