第16話


病室に着くとベッドサイドには看護師さんがいて



「斉藤くん、面会の方がきたわよ。

よく見かけるけど彼女さんかしら。」


と言って微笑みながら立ち去って行った。







「なんかごめんね。彼女と間違えられちゃった。」







「こっちこそごめん。」






確かに毎日のようにお見舞いに来てたら彼女と思っちゃうよね。




「私は別に好きな人も彼氏もいないから大丈夫だけど、人気者の斉藤くんの彼女と思われちゃうなんて烏滸がましいくらいだよ。」









「水沢さん何言ってるの!

水沢さんだって人気じゃん。

お見舞いに来てくれたなんて言ったら羨ましがられるから。サッカー部のメンバーも怪我するのも悪くないなんて言ってるヤツいたくらいだから。」






いつも男子がヒカルの可愛さに釘付けになっているから私なんてついでに視界に入るようなもんなんだろうけど、

それでも斉藤くんの熱弁ぶりに



思わず顔が赤くなるのがわかる。







さらには




「もしかして、照れてる?




そういうギャップもいいよね。」





なんてさらっと言うものだから



余計に顔が熱くなる。






言われ慣れないことを言われるから、そんなの照れるに決まってる。



そういうことを、誰にでも何の気無しに言えちゃうところがまた人気を集めるんだろうけど。





私は照れ隠しに、






「もう、からかわないでよ。はい、これ!」






と預かっていたプリントと手紙を渡した。

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secret letter オオキユイ @lily_yui

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