ピースメーカー
学生時代。
友人に初めての彼女が出来た。
野郎四人で集まってそんな話をしていると、話題はどんどん下の話へ。
初カノとの夜の生活について彼はこう語った。
「一回の行為自体は早いんだけど、回数は多いんだよ」
恐らく、一般的な男性の性生活とは異なる様式。
「一晩で六回くらいかな」
……多いな。
それはもはや特殊能力の領域では?
彼の下半身は一目置かれ、特別な名で呼ばれるようになる。
六発装填の拳銃と某漫画キャラクターの能力名をもじって
「
念能力のようなネーミングだが、「スタンド」でもある。
早い方がいいのか、遅い方がいいのか。
多い方がいいのか、少ない方がいいのかはお相手によって異なると思う。
だがお互いにとっていいなら素晴らしい事じゃないか。
避妊具にかかるコストが、学生の身分にはやや重いかもしれないが。
そう思っていた。
しかしその友人が「初めての彼女」と別れたあと。
……彼の銃は使い物にならなくなってしまった。
シットダウンしたまま、もうスタンドアップしない。
制約と誓約を破った反動か、念能力そのものを失ってしまった。
直接的な表現を避けて小林製薬風に言うと「ペニタタナーイ」なのだ(なんでこれまで勃起勃起はしゃいでいた人間が今更直接的な表現を避けるのかわかんねーけど)。
その話を別の友人にすると、難しい顔をしてぽつりと一言。
「あいつ、リボルバーなのにジャムっちまったか……」(※)
ベテランのガンマンか。
良いお年を。
※ジャムる
ここでは弾詰まりを指している。
リボルバーはジャムらない……と、認識していたのだが詳しい人によると可能性は低いがゼロではないのだとか。
日常、日記、日々 パイオ2 @PieO2
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