第3話 夢の中
幼い頃の夢をみた
保育園
懐かしいなぁ
砂場で遊んでるキミがいた
それにちょっかいをかけてる、2人の男の子の園児
そういえば、キミは昔からモテていたなぁ
そして子供というのは好きな子に、変なちょっかいをかける習性がある子が一定いるんだよなぁ
あー砂の山が崩れちゃって、、
泣きそうになってる
そこに走っていく園児の後ろ姿
なんか、あれ?
「やめろよ、まゆちゃんをいじめるなーっ」
ボクだ
「なんだよ、みゆーかよっ!おんなおとこっ」
ボクは海夕(みゆう)という自分の名前が、ちょっとしたコンプレックスだった
園児の頃から中学生になるくらいまで、初めは舌足らずな周りの子達にみゆーっておんなみたいーって言われ、今も良く可愛い名前だねと、少し男らしさが無い感じの名前に些か思うところがある
「うるせー、まゆちゃんをいじめるなっ」
園児の頃はしょっちゅうあったなぁ、こうやってキミに何かして泣かせる他の園児とケンカする事
あーボク服引っ張られてるや
1人の男の子は引っぱたいて泣いてて、もう一人の子に服と髪を掴まれて取っ組み合いになってる
先生が慌てて走ってきてる
引っ張られた服に砂まみれの僕
あ、でも2人は女の子に意地悪しちゃダメだよって先生に言われて、気まずそうにちょっと不貞腐れてる
「みゆちゃんーごめんねぇ」
泣きながらボクの裾を摘むキミ
キミは何も悪くないのに、なんか昔からそうだったんだなぁ
「あいつが悪いんだし、いいんだよっ。1人は泣いたしボクの勝ちだ」
あ、カッコつけてるボク
でも園児の僕よ、確か割とその後とか見えないとこ見えないとこで泣いてなかったか?
やめとこ、夢の中で自分の恥ずかしい事思い出すの
フロイト先生、記憶除去装置をぉおおお、起きたら忘れてるように
「海夕くん、手と膝擦りむいちゃってるね、先生と絆創膏貼りに行こう」
先生が優しく連れ添ってくれようとする
「まゆがする!」
キミは幼い頃、割と大人しめで引っ込みじあんだったけど、こういう時はなんか頑なだったんだよなぁそいえば
なんかこういうの幾度かあった気がする
先生はちょっと驚きながらも、じゃあ、先生が真夢ちゃんに教えるから一緒に海夕くんのお手手とお膝、綺麗にして絆創膏貼ろうねぇと宥める
消毒が染みて痛いけど、キミの前では泣かないように強がってるな僕
その後泣いてるくせに
でも痛そう、ごめんねって泣いてるキミの前で子供心に泣けなかったんだよなぁ確か
「海夕くん、偉いけど海夕くんも怪我しちゃうし、真夢ちゃんも悲しくなっちゃうから、あんまりケンカしちゃダメだよ?」
先生は優しく言った
「はーい」
素直な返事で宜しいボクよ
園児の鏡だ
先生、文部省とかにゆってなんか賞状とかもらってくれてもいいんだよ?
あ、貰った記憶ないやそんなの
「じゃあ先生と真夢ちゃんと約束しましょうねっ」
「せんせー約束する時ってどうするの?」
キミが言った
思い出した、これだ
この光景、あった出来事だ
「じゃあー、はいっ2人とも小指さん出して」
ボクとキミの小指を先生が繋いだ
「これで約束して指切ったっ」
そう言うんだよってキミに言ってたんだ
キミは少し恥ずかしそうにしながら、あんまりケンカしないでねと指切りした
ボクはカッコつけて、まゆちゃんをいじめるやつがいたらやっつけるもんって言ってる
困ったように、でも嬉しそうにしてるキミの顔
んーって悩みながら
「じゃあ、おっきくなったら、まゆもみゆちゃんまもれるよーになるから!」
キミはそう言った
指切りと握手 みなみくん @minamikun
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