第2話 指切りと握手-2-

熱が出た


使わない頭を使いすぎたという事であろうか


ひたすらに思考をぐるぐると、脱線3割を含むも、気付いた時のことを思い出せと自分の頭に喝を入れたり、バイアス認知でそう思いこんでるだけの勘違いなのではないかと明け方まで考え込んだ


ボクの思考回路は残念な程に脆く、一晩かけても答えのこの字も何もなく終わり、頭痛を伴い発熱した


あーなんだかなぁ


不甲斐ないやるせない感じと、倦怠感に覆われている


分かったことは、ボクはどこぞのレンズ合わずの眼鏡の少年や、じっちゃんの名にかけるような名探偵にはなれない事だけ


あと、ディナーの後どころか、何食の後にも謎はとけない


スポーツドリンクとゼリー系を探すも冷蔵庫には無く、のそのそと額に冷却シートを貼りぐでーんとしている


もうすぐお昼かぁ、お腹すいたなぁ


仕方無いと意をけして、コンビニへ行こうと着替えて玄関を開けた


あれ?


なんでキミが居るんだ


わっと言いそうな驚いた顔をしていた


丁度インターホンを押そうとした所でボクが出たのか


「どしたの?学校は?」


「早退したよ。ご飯とか飲み物大丈夫かなって思ってメッセしたけど返事無かったから寝込んでるかなぁと思って。

お昼になるし、何も無かったらコンビニでも外出るの辛いかなぁと思って。スーパー寄って来たよ」


「ごめん、気づかなかったありがとう」


風邪ではない発熱なので倦怠感以外はないけど、風邪だと思って気を遣ってわざわざ来て貰ったことに、申し訳なさとある種の本末転倒さを感じた


風邪ならまだ良かったのに、、


幼い頃は今ほどじゃないけど、それでも時折どうしても両親が不在な日はあって、キミの家でご飯を食べたり、お泊まりをよくしたなぁとふと思い出す

中学生になる頃には、ボクも1人で留守番出来るし、両親と話し合いながら段々とそれは増えていった

2年生になる頃には、流石に小学生じゃないんだから留守に不安を覚えないでよとボクが苦笑いした


それくらいからか、キミが頻繁にうちにご飯を作りに来てくれるようになったのは


洗濯と掃除は出来るけど料理はあまり出来ないボク


得意料理はカップ麺と潰れた目玉焼き


くらいのレベルである


故にキミのおうちで未だに夕食を食べたり、作りに来てもらってることに甘えてしまってる


適当に惣菜や弁当でいいよっても、体に悪いと


キミの青春が世話焼きに終わってくのが、とても申し訳なく思ってくる


ベッドで横になってるとうどん、お粥、フルーツなど盆に乗った食事をつくってきてくれた


はあ、僕然僕1人で家を任されてないし、ダメダメだぁ


本当にごめん、、


口にすると何でか怒るから心の中で反芻する


「ありがとう、いつも」


べ、別に対した事じゃないし昔からのよしみでしょと何となく慌てるようなキミ


食べれるだけでいいからね?

片付けるから置いといて、寝れそうなら寝ちゃいなさい


リビングにいるから


いたせり尽くせりというやつである


申し訳なさが加速してくる


でも安心して食事をとったら、眠気に負けて沈んでいった


落ちる寸前、ちゃんと療養して早く治す事、指切ったと聞こえた気がした



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