趣味で登山を始めたのだが 〜 道行く彼らはまるで戦闘員

@animalprotectionap

第1話 休憩中に俺の前を通った2人

「はぁ、はぁ、ぜぇ、はぁ山を登り始めてからすでに2時間か、会社の健康診断で運動不足と言われて趣味も兼ねて登山を始めたのは良いものの流石に挑戦する山を間違えたな」


俺は会社の健康診断で肥満と言われてから趣味も兼ねて登山をすべく登山用のリュックやらなにやら登山用品を揃えた。

俺が始めに挑戦した山は登山無料で初心者向けのどこにでもあるような登山スポットだったのだが案の定運動不足が原因で頂上に辿り着く前にバテているところだ。


「はぁ、はぁここら辺は人も少ないし少し休んでからまた登り始めるか…ん?俺の見間違いかな?刀を腰に付けている侍さんがいる」


人気のない場所で木の根元に腰を置いて休んでいると偶然俺の目の前を通った2人の登山家?に目がいった。

1人は腰に刀を付けており、いかにも侍って感じの格好をしていた。

そしてもう1人は迷彩柄の軍服を身にまとったアサルトライフルを持った男性だった。

コスプレなのか、それともそういう格好で登山をしているだけなのか興味の絶えない目の前の光景に俺は思わず2人の足を止めた。


「あの、その格好…コスプレですか?」


2人は足を止めて同時にこちらを振り向くと怖い顔が一瞬のうちに笑顔に変わり、優しい口調で答えてくれた。


「この山、初心者向けなんて言われているけど素人には頂上に登り切る事が絶対にできないって噂は聞いたことあるか?」


「いえ…最近登山に興味を持ってそれで今日が初めてなので」


「なるほどな、もし異世界とかそういう話に興味があるなら頑張ってこの山の頂上に登ってみると良い。頂上には受付が居て機械的で無愛想だがいろいろと教えてくれるだろう」


その言葉を最後に、2人はまた怖い顔をしながら山を降りていった。

一体この山の頂上には何があるのか、彼ら2人は何者なのか、この瞬間から俺の中でこの山の頂上に登らなければいけない気がしてその日から体力作りが始まった。

幸いにも独身で彼女も居ない、友達と呼べる人間も片手で数えられるくらいしか居ない俺は有給の消化もしていなかったため、有給で連休を取った。

俺の会社は割とホワイトな方で人でも多く、2週間の有給を貰えた。


ジムに通い、毎日ランニングをして、さらには剣道を習い始めた。

一応銃を持っている人もいたが体力をつけるためにも剣道を習い始めた。


そしてあの日から10日が経った今、俺はできるだけ軽装であの山に挑戦した。

軽装ということもあり、意外にもすんなり前回離脱した地点まで辿り着いた。

必死にトレーニングした成果がここに出てくれるのは今後のモチベーションにも繋がる。


前回の離脱地点からさらに5時間ほど山を登った先でようやく頂上が見えてきた。

この辺りになってくると見渡す限り絶景で登山者は居らず、前に見た侍さんや軍服を彼らに似た人物が何人かいてまるで期待しているかのような目で俺を見てきた。

もうすぐそこに、全ての謎の答えが見えてくると思い、俺は全身の力を振り絞って全力で頂上目指して走った。

必死のトレーニングの成果は凄まじく、もしくは山神様に認められたのか、俺は頂上に辿り着く事ができた。

頂上から見た景色はこの世の物とは思えないほどの絶景で、そこはまるで天国のような場所だった。

頂上にはあまりにも大きすぎる鳥居があり、鳥居の中にはまるで異世界への入り口かのような不気味で興味深い空間が広がっていた。


鳥居と景色に気を取られていて気づかなかったのか、あるいは登ってきた道中でもよく見てきたからそれが当たり前のようになってきていたのか辺り一帯を見渡してみるとフルプレートに身を隠した王邸の騎士のような人や明らかにスピードが速いであろう痩せ型なのに筋肉マッチョといういわゆる細マッチョと言われている人が両手に小さめのナイフを持って誰かと待ち合わせをしているようにも見える。

ここは一体何なのか、そう考えているとふと思い出した事だあった。

それは軍服を身にまとった銃を持った男性が言っていた“機械的で無愛想な受付”だった。


それらしき建物を見つけ、俺は受付の元へと足を運んだ。


「あの…ここってどう言った場所なんでしょうか?」


「あぁ、君も山龍神に認められた山神候補ね、ここで登録しちゃうと実社会で生きる事を諦めることになっちゃうよ?どうする?」


ここでいう山龍神とはこの山のいわゆる山神様なのだとか、そして山龍神に認められた山神候補とは鳥居を潜った先で何らかの成績を残す事で山神になれるという話だった。

実社会で生きる事を諦める事になるその言葉が少し気になったがそれ以上に俺はこの山の事や鳥居の事が気になって仕方がなかった。

俺は実社会で生きる事を諦めて登録した。


俺の名前は“城島上綱”だったのだが…登録をした際にニックネームと言いたいところだが登録をした以上それが本名になるらしい。

俺の名前はこの日から“天山”とされた。


名前の登録が完了したら次は俺と相性の良い武器の種類を受付が勝手に考えてくれるらしい。

それに合わせて初期装備を渡すとか何とか。

何の説明もないまま事が進み、俺のプロフィールが完成した。

ちなみに説明がない理由は俺がゲーマーであるという事を見抜いていたからだそうだ。


プロフィール

名前『天山』

職業『肉体強化魔法/ハンマー使い』

年齢『22歳』

ランク『十山(10)』


どうやらゲームのようにランクがあるらしくランクは全部で十山から始まり一山が最大ランクらしい。

ランクの中に山神が無いのは特別な成績を残した者のみ山神になれるという事らしい。

つまり“山龍神に認められろ”という事なのだろうけど俺とは程遠い先の話かあるいは到達できないか、何はともあれ登録は完了した。

ここで少し休憩したら鳥居の中に入ってみる事にする。


ー ー ー


素人が初めて書いた小説でしたがいかがだったでしょうか?一応内容が思いつき次第連載していくつもりですので今後ともよろしくお願いいたします。




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