異世界★ロリ神★ディストピア!
橘まさと
異世界★ロリ神★ディストピア
ロリはあなたの主なる神である。
ロリのほかに神があってはならない。
あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。
あなたの妹を敬え。
殺してはならない。
姦淫してはならない。
盗んではならない。
隣人に関して偽証してはならない。
隣人の幼女を欲してはならない。
隣人の財産を欲してはならない。
——聖テーダシ シナイ契約——
■マナイ大陸 グレウイシティ
「ここはどこなんだ?」
俺は目の前の見知らぬ街並みに驚き、周囲を見回した。
街を歩く人々が不思議そうに俺を見る。
「うるせぇ! 見世物じゃねぇぞ!」
威嚇をすると、人々は再び歩き始めた。
今いる場所は渋谷のスクランブル交差点のような広い交差点だが、渋谷の街並みとは違う点が一つある。
街中に女性の姿がいっさいないのだ。
「どうして俺はこんなところに……確か……」
思い出そうとしているときに、時報がなって街頭ビジョンが灯る。
そこにいるのは俺がここへ来る前に見かけたランドセルを背負った幼女だ。
ピンクのショートヘアにウサギのヘアピンが目立っている。
『はぁ~い♪ みんなー、午前10時11分だよぉー。つまり~』
「「ロリロリロリ!」」
今まで歩いていた男達が足を止めて、街頭ビジョンに映った幼女に向かって声をだし、拳を振り上げていた。
『今日も元気だね~、ローリィとぉ~ってもうれしいよぉ~』
声が聞こえいるのか街頭ビジョンの幼女は笑顔で答えている。
可愛い。
人間とは思えないほどに可愛い。
抱きしめて、ナデナデして、そして……。
『では、今日もシティの治安維持の心得を唱えるよー。触ったら』
「「逮捕!」」
『獄中で~』
「「点呼!」」
『Yes,ロリータ』
「「No,タッチ!」」
『はーい、みんなよくできました~。じゃあ、今日も一日頑張ってね♪ 次は午後10時11分に会おうね。ローリィからのお・ね・が・い♪』
そう伝えた幼女は街頭ビジョンから姿を消し、綺麗な田園風景のCMが流れていた。
先ほどまで、軍隊のように統制の取れていた男達は何事もなかったかのように歩き、日常が戻ったような雰囲気なる。
「なんだ、いったい、ここはなんなんだ!」
俺はうすら寒い気分になりながら、スクランブル交差点から離れて街の出口を探して走り回った。
だが、街の周囲は高層ビルくらいの高さの壁でおおわれており、隔離されていることを知る。
わからない!
どうしてここにいるのか?
ここがなんなのか?
どうして他の奴は普通に過ごせているのか?
何もかもが分からない!
「なんなんだ、俺を返してくれよ」
出口の見ない壁を叩くと、背後に人の気配がする。
「おにぃさん♪ どうしたの?」
「君は……さっきの!?」
振り返れば、先ほど街頭ビジョンでランドセルを背負っていた幼女がそこにいた。
可愛い笑顔を向けているものの、初めて見た時と違い俺には恐怖しかなかった。
生理的に無理というのはこういう気持ちなんだろうかと、今ままで女に言われてきた言葉を振り返る。
「おにぃさんはね。戒律を破ったからここにいるの。ここでね、ローリィをあがめ奉り幸せに過ごすの、それはそれで幸せでしょ?」
「い、いやだ……お、俺をもとの世界に戻せ!」
「ダメダメ~。元の世界じゃ、おにぃさんは犯罪者になっちゃうから♪」
「もう、幼女に手を出さないし。変なことをしないから、許して、許してくれ……!」
俺は土下座をして目の前の幼女に謝った。
どうしてそうしたのかはわからないが、やらなければならない気持ちでいっぱいになる。
スタスタスタとローリィは近づき、しゃがみこんだ。
スカートの中からイチゴパンツが見え、俺は思わず凝視し、興奮で鼻息が荒くなる。
「ほーら、ダメじゃんおにぃさん。だからね、たーっぷり教育してあげるね♪」
◇ ◇ ◇
それからのことは俺は覚えていない。
だが、今の俺は幸せだ。
時報がなって街頭ビジョンが灯る。
そこにいるのは俺を救ってくれたランドセルを背負った幼女だ。
ピンクのショートヘアにウサギのヘアピンが今日も可愛い。
『はぁ~い♪ みんなー、午後10時11分だよぉー。つまり~』
「「ロリロリロリ!」」
街頭ビジョンに映った幼女に向かって俺は声をだし、拳を振り上げていた。
異世界★ロリ神★ディストピア! 完
異世界★ロリ神★ディストピア! 橘まさと @masato_tachibana
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