私がTRPGでGMやってた頃の話
「テーブルトークRPGって知ってる?」
それは芋つき蛮族、高校二年の夏。
中学からの親しい友人四人に声をかけて、私は兼ねてより立案していたその計画を実行に移した。
☆☆☆
皆様、こんばんちわ。
キミサガでお馴染みの皆様、いつもお世話になっております。
芋つき蛮族です。
今回はTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)に関するお話。
初めて耳にする諸兄も多いであろうこの話題。
語ります。
☆☆☆
まずはざっくり基礎知識。
今現在、RPGっていうとドラクエシリーズを代表とするゲームの一大ジャンルとして大人気。
そしてその多くが、一人のプレイヤーが複数名のゲームキャラに指示、操作して戦闘を軸としたストーリーを楽しむ形式となっている。
これ実は、厳密にはコンピューターRPGとして扱われる代物なんですよね。
元来、RPGといえば純粋な卓上遊戯。
人生ゲームのように生身の人間がテーブル囲んで遊ぶもの。
シナリオとルールを統括する
これがTRPGって代物であり、RPGといえば本来こちらを指す言葉でありんす。
ダンジョンズ&ドラゴンズ、『D&D』と言えば聞き覚えのある人も多いだろう。
和製TRPGならソードワールドRPGとかね。
他にも色々あるので、興味の湧いた方は是非調べてみて欲しい。
ちなみにウルティマと並び、コンピューターRPGの祖の一つと言われるウィザードリィは、D&Dのシステムをベースとして作成されたもの。
ダメージ計算がサイコロ法式なのも共通しており、
例えば、ロングソードなら1D8=1~8の数値が出るサイコロを一回振ってベースダメージを決定……といった処理が行われている。
かの有名な村正ブレードであれば、5D10×3、つまりは15~150のといったぶっとび具合。
これに
TRPGにおいては、基本的にプレイヤー一人一人が異なる役割で楽しめるよう設計されているので、ここまで弾けた武器・スキルは滅多に存在しない。
そう……基本的には。
☆☆☆
「ああ、知ってますよ」
それは後に、四人目のプレイヤーとなる友人に声をかけたときのこと。
冒頭での私の問いかけに、彼は答えてきた。
「ソードワールドとかロードス島戦記ですよね。あ、もしかして?」
「うん。いま皆に声かけてるとこ。日曜に、ウチでどう?」
「いいですね。やりますか!」
私は内心、ガッツポーズを決めていた。
既に三人の友人を誘い終えていたとはいえ、全員TRPGの存在すらしらないごく普通の高校生。
ルールの説明も含めると、実際のプレイ時間は相応に短くなってしまう。
そこに一人、TRPGに予備知識のあるプレイヤーが加わる流れとなったのだ。
前途は洋々。私は彼との約束をとりつけた。
「あ……でも、
「そこはもちろん、言い出しっぺだしの俺で。皆は筆記用具だけ持ってきてくれたら大丈夫」
ぶっちゃけプレイヤーは完全な素人であっても、GMがしっかりしていればなんとでもなるもの。
というか、そこから生まれるドタバタ含めて楽しむのが醍醐味だ。
しかし、GM側はそうもいかない。
シナリオ管理からエネミー・ギミック等の判定処理に、NPCキャラの
さすがに知識ゼロでは務まらない。
コンピューターRPGにおいてハードウェア側が処理してくれるところを、ルールブック片手に人力ワッショイ!
プレイヤー諸君と力を合わせてワッショイ、ワッショイ!
別々の方向に走り出してシナリオが迷子になるのもまた楽し……なんて言えるのも、GMの舵取りあってこそだ。
参加者全員に思い切り好きにやられて、シナリオ崩壊したことはあるけどねw
まあ流石に次回以降のプレイでは、そこまでの暴走はなくなったが。
わざわざ休みに集まった時間をBADENDで終えるために浪費するのはなあ、っていう暗黙の了解が発生したわけである。
何事も経験なので今となっては良い思い出です。いやマジで。
話は戻って、自分がやりたくて堪らず友人たちをTRPG巻き込んだアテクシ。
責任をもってGMを引き受ける所存でありました。
「ところでなにで遊ぶんですか? 教えてくれたら自分もルールブック買いますよ」
喜ぶ私を前に、友人がそんなことまで言い出してきた。
なんということでしょう。
初のTRPG参加を前にして、ここまで協力的な御仁もそうおるまい。
爽やかな笑顔を浮かべる彼に、私は告げた。
「いや、売ってないよ」
その言葉に友人が首を傾げた。
「いまから家帰って作るから」
ドン引きって言葉は当時まだ存在してなかったと記憶している。
☆☆☆
私が高校生であった頃、世にRPGマガジンという月刊誌が存在していた。
発行元はホピージャパン社。
同社製TRPG「ワースブレイド」「ルーンクエスト」等のリプレイ記事・サポートを中心としつつも、純粋な資料集としても内容で非常に読みごたえのある代物だった。
その中の一つに、当時の私がどっぷりと嵌まっていた連載があった。
セブンフォートレスリプレイ「アルセイルの氷砦」。
菊池たけし氏作のファンタジーTRPG。
舞台は幻想世界ラース=フェリア。
ドラゴンボールばりのドッカンインフレバトルを楽しめるのが最大の特徴。
その弾け具合は並み居るTRPG群の中でも飛び抜けており、衝撃を受けたものだ。
プレイヤーそれぞれが主役扱い故に、相応のバランスを意識されるTRPG界において、勇者が当たり前のように
プリーストウォリアーとメイジウォーリアーが割りを食い過ぎてる感は否めなかったがw
カニアーマーに
蟹工船の著者は小林多喜二でしょ、とかツッコミもあるかと思うが、蟹光線だから仕方ないね。
公式設定で超古代文明プロレターリアとかブチかましてるし。
そうそう。
高校生の頃の私が突然「自作TRPGで遊ぶ」なんて言い出したのには、そのセブンフォートレスの商業化が、大いに関係してたのだ。
「作るって……TRPGをですか? なんでまた、そんなことを」
「いやー、いま嵌まってるヤツがあってさ。派手で楽しそうだし、本当はそれで遊びたいんだけどね。それまだ商品化されてないんよ」
戸惑う友人に私はそう言った。
そう。
その頃、セブンフォートレスは紙面上で人気を博してきた真っ最中。
菊池たけし氏のオリジナル作品であり、製品化に至ってはいなかったのだ。
というわけで、私はそれを模倣して遊ぶことにした、って次第である。
「それじゃそういうわけで、日曜の朝にウチで!」
それだけ伝えると、私は足早に友人宅を去った。
金曜日の夕方頃だったと記憶している。
当然だが、話がまとまったばかりだったので何一つ用意などしてはいなかった。
☆☆☆
次回エッセイ、「続・私がTRPGでGMやってた頃の話」
俺が、ルールブックだ!📚
本日も貴重なお時間をさいてお読みいただき、ありがとうございました。
『ちょっとクスッときたり、今回は良かったなと思って下さった方へ』
キミサガ共々、☆評価・応援よろしくお願いします!
それでは皆さん、サヨナラ、サヨナラ!
こちらは自作品の宣伝です! ☆がほしー! いやホントまじでw
『君を探して 白羽根の聖女と封じの炎』
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