偽物の異世界史
椋鳥
あの人は偽物
「大嫌い」全部が全部偽物に見えた。
本物のものなんてどこにもない、ありふれた偽造だけが蔓延っていると。
僕がここに存在してること以外、信じることができなかった。
刻印歴壱壱弐伍年、かつて存在していた世界(第壱時世界)は崩れ去り新たな世界(第参時世界)は滅亡した。その後、同じような世界が伍六程度崩壊するのを僕は目の当たりにした。
今常世の世界(第伍八時世界)も長くは続かないだろう。なぜこんなにも簡単に世界が無くなるのかといえば、それはこの世界の成り立ちに起因している。この世界はとある人物(正也智彦)の能力(異世界開発倶楽部)によって創造された。
その能力は、正に天地を揺るがすものであった。自身の描いた世界線の物語が完結した瞬間に自動的に発動する。その物語が完結した瞬間、新たな世界を創造し物語序盤の流れを作成する。
一見、ふざけた能力に見える。けれど、それが反映されてしまうのがこの世界の根底であり、真実なのだった。
偽物の異世界史 椋鳥 @0054
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