第42話 ダンジョンへの第1歩42
またもや頭を弾き飛ばされたアトラクテッドは先ほどと同じようにして地面に首を倒す。そしてそのぐちゃぐちゃになった首の断面から先ほどと同じようにして新たな頭が生えてくる。そして、またその生えてきた頭を反撃の隙を与えないようにしながら吹き飛ばす。これであと1回だ。あと1回あいつの頭を吹き飛ばせればあいつを殺しきることができる。
俺は最後の頭を外さないように慎重に標準を合わせて引き金を引く。引き金を引くと同時に勢いよく放たれた銀色の弾丸はまっすぐにアトラクテッドの頭へと進んでいく。そして今までと同じようにアトラクテッドに近づくと『空間付与』によってアトラクテッドの頭の中へと移動する。
勝利を確信したその瞬間今までははじかれることのなかった銃弾がアトラクテッドの翼によってはじかれた。
「は?」
無情にもはじかれた弾丸はただの金属の塊となりその場に転がる。
そしてそれと同時に再生時の硬直が解けたアトラクテッドは俺の元へと勢いよく飛び込んでくるとそのまま、そのあまりにも堅い翼で俺のことを思いっきり弾き飛ばした。
「っ、ぁ」
思いっきり弾き飛ばされた俺はいくつかの木に直撃するがそれを貫通するようにしてさらに飛ばされ続ける。そして何本目かもわからない大きな木に当たったところでようやく止まった。背中から思いっきり木に打ち付けられたことで、明らかにどっかの骨が折れた。しかも、弾き飛ばされるときに咄嗟に間に挟んだ腕はあらぬ方向へと曲がっており動かない。
おそらくとんでもない痛みなのだろう。しかし、ながら痛すぎてもはや痛みを感じていないのか何も感じない。何か生暖かいものが額を流れているためそれを拭ってみたところ手が真っ赤に染まる。
ぼんやりとしか見えないが遠くからアトラクテッドと思われる大きな影がこちらへととんでもないスピードで向かってくるのが見える。それは明らかに殺意に満ち溢れ、そして明らかに一つ星級のシーカーに手に負えるものではなくなっていた。
しかし、そんなまさしく災害に立ち向かう小さな影が2つ見える。それは必死にアトラクテッドの足を止めようとあらゆる攻撃を行っているがアトラクテッドはそれを気にもしない。そしてさらにギアを上げてこちらに突っ込んでくる。
確実に終わった。そしてもう体もゆうことを聞かない。すべてを悟った俺は目を閉じて自分の運命にすべてを任せる。
その時、まるで何かを破壊するようなとてつもない轟音が響き渡る。俺が目を開けると目の前に一人の男性が俺を守るようにして立っていた。
「よく頑張った。あとは任せろ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます