第35話 ダンジョンへの第1歩35
「あぁ、やっぱり自分の位置がいきなり変わると酔う感じになるんだ」
「まぁ、そのぐらいのデメリットがないとバランスが取れないからな。もしこれで酔うこともなかったりなんかしたら近接戦闘は最強になっちまう」
「自分以外のものにかけるときは何か反動的なものはないのか?」
「それは多分ない。しっかり検証したわけじゃないからわからんが体感としては何も変わっていないはずだ」
「なるほど、、、やっぱり強いね」
「まぁ、弱くないスキルだとは思ってる。あんまり使えてないことが本当にもったいない」
「それに比べて光狩のスキルはわかりやすく強いもんな」
「うん。俺のやつは別に自分の意志で発動するとかそういうのないからね。体が慣れるまではちょっとやりにくかったけど今はもう余裕だよ」
「戦闘中に身体能力が2パーセント上昇だもんな。そりゃ強いわ」
「でもそんなこと言ったら来宝だって夜っていう時間指定はあるけど5パーセントの身体能力の上昇に加えて銃にもバフがかかってるんだからね。もっと強いよ」
「5パーセントって言ったらとんでもないからな。逆に自分の体の性能に振り回されるってぐらいだぞ」
「俺はあんまり近接戦闘はしないからな。だからこそ体の性能に振り回されずに済んでる」
「ただ、そのスキルが夜限定っていうのが少し使いづらいところだよな。やっぱり基本的にはダンジョンの中に入っているのは昼間だからなかなかそれを生かせる機会がない。それにパーティーを組むなら夜だと仲間が戦いづらい」
「そうなんだよな。光狩は夜だから何か有利になる何かがないって考えるとちょっと噛み合わせが悪い」
「でも今回みたいに何かトラブルで帰れないときとかそもそも泊りでダンジョンに潜るときなんかはめっちゃ活躍するよね」
=====================================
そして夜、また九条の『空間接続』の練習が行われる。夜を丸々使って練習を行うために俺たちは昼間に仮眠とっておいているため問題ない。
昨日と同じようにアトラクテッドに見立てた木に向けて本番に近い距離から撃っていく。何度も何度も銃弾を放ちそれに『空間接続』を付与しようとするがどうにもうまくいかない。ただ本人的には昨日よりも可能性は感じるような形にはなっているらしく何度も悔しそうな表情をにじませている。
そしてついにその時がやってきた。俺が今までやってきたのと全く同じ感じで放った弾丸は九条から15mほどのところまで飛んでいくとそのまま消える。次の瞬間木の内側から大きな音とともに銃弾が突き抜けてくる。木には弾丸が貫通しているのにも関わらず一つしか銃弾の跡がない。ついに『空間接続』を銃弾に付与することが成功したのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます