第30話 ダンジョンへの第1歩㉚

俺は九条と光狩に挟まれるような形になりながら銃を構える。そして、少し睨み合ってからフォレストウルフたちが一斉に飛びかかってくる。しかし、それはどこかスローモーションのような動きで違和感がある。明らかに昼間戦っていたフォレストウルフとは違う。


俺はフォレストウルフが地面に足を着ける間に3発の弾丸を放ち3匹のフォレストウルフの頭を弾き飛ばす。そして光狩と九条がフォレストウルフとの戦闘を始める。光狩は双剣をきれいに使って舞うように戦い、九条はバスタードソードでねじ伏せるようにして戦う。しかし、その戦いもまた緩慢な動きにしか見えない。俺は近づいてくるフォレストウルフの頭をどんどん吹き飛ばしていく。しかもなぜか弾薬は排莢されて行っているはずなのに弾倉の中にある銃弾の数は減っていかない。そのせいで俺は簡単なコッキング作業だけで銃を連射することができてしまう。


2人が4匹のフォレストウルフを倒す間に俺は10匹のフォレストウルフの頭を弾き飛ばして殺す。すでにフォレストウルフの群れの数は最初の半分以下だ。普段ならこれだけの数を倒せば残りのフォレストウルフたちは引いていくが今回はそうともいかない。


フォレストウルフたちはそのままこちらへと攻撃を仕掛けてくるのをやめない。しかし、今の俺にとってフォレストウルフは怖い敵じゃない。こちらに向かってきていた何匹かの頭を吹き飛ばす。そして、その時太陽が上がり始めて空が白み始める。


その瞬間一気に周りの動きが速くなりとんでもない速さでこちらへとフォレストウルフが飛びかかってくる。咄嗟に腕を出して守ろうとした瞬間そのフォレストウルフの体が両断される。


「大丈夫か?」


「あぁ、助かった」


その両断されたフォレストウルフを見てさすがにもう無理だと思ったのかフォレストウルフたちは引いていく。周囲には頭失ったフォレストウルフが折り重なるようにして倒れていた。


「2人ともけがはない?」


「あぁ、俺は大丈夫だ」


「俺も問題ない」


「それにしても来宝すごかったね。あんなスピードであんな射撃ができるなんて知らなかったよ」


「、、、あれスキルじゃないのか?あの速さはさすがに一つ星級のシーカーが身体能力で出せる粋じゃない」


「わからん。俺にもわからないんだ。戦闘が始まったとたん周りの動きが遅くなって、銃を撃つことができた。しかも銃弾の消費もなしに」


「、、、そいつは完全にスキルだな。確か『夜』だっけか?」


「あぁ、」


「もしかしたら日が沈んでいる間にだけバフが発生するようなスキルなのかもしれないな。時間指定のあるスキルなんて聞いたことないがそれしか考えられん」


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メリークリスマス!

3話投稿2日目です!

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