第24話 ダンジョンへの第1歩㉔
そのカマキリはじりじりとこちらへ距離を詰めると一気に動き始める。最初に標的になったのは前線でカマキリに対抗しようと大剣を構えていたシーカーだった。彼の懐に潜り込んだカマキリはそのままその男が反応するよりも早く喉をかっきり仕留める。
すぐに近くにいたシーカーたちが少し距離をとって取り囲み、じりじりと追い込んでいく。しかし、カマキリは次の瞬間取り囲んでいたシーカーたちに近づくと反応できる余地も残さないまま仕留めていく。しかし、そうやって獲物を仕留めている間、カマキリは無防備になる。俺はそこに向かって何発かの弾丸を叩き込む。
まっすぐとカマキリの頭へと吸い込まれていく弾丸だったが、カマキリはそれを鎌で振り払うことによって避ける。しかも、振り払ったことで弾丸と接触している鎌にも特に傷がついているようには見えない。
ただ、その隙に光狩がカマキリへと近づき近接戦闘を仕掛ける。が、カマキリの強力な鎌に防がれて攻撃が通らない。このままだとどうしようもないと考えたのであろう光狩はいったんカマキリから離れる。するとそこにシーカーたちがスキルで生み出した炎だったり、水などあらゆるものが叩き込まれていく。しかし、カマキリは水はもちろんのこと虫が苦手そうな炎ですら諸共せず逆にそのスキルを放った者たちがいるとこに突っ込んでいき、一瞬で首を跳ね飛ばしていく。
一つ星級のシーカーでは歯が立たない。もはや戦闘というよりも虐殺に近いような光景が繰り広げられている。まだ、多くのシーカーがカマキリの周りには武器を構えて展開しているがあの分だと一瞬で壊滅する可能性が高い。しかもこちらの攻撃はまだカマキリに傷をつけることすらできていないと来た。
『光狩!なんかないのか!』
『そんなこと言われても全く情報のないセルだ!まずは何か情報を引き出さないと始まらないよ!』
『、、、俺の弾丸は鎌にはじかれると傷すらつけられん!あるとしたら腹だけだ!』
『腹を見せるようにさせれば何かできるってこと!?』
『可能性はある!』
『それなら、どうにかやってみるよ!』
光狩りはそう電話越しに言うと一気にカマキリへと近づいて激しい剣戟を繰り広げていく。さらにほとんどのシーカーはその激しい剣戟に手を出すこともできていないが、一部のシーカーはバフをかけるなどして光狩を支援していく。
そうやってバフをかけ、さらにスキルを使った状態の光狩でようやくトントンの勝負ができるかどうかってところだ。あまりにも強すぎる。
しかも、どうやらカマキリは光狩との戦闘に飽きてきたようだ。光狩から少し距離をとると周辺で様子を見守っていたシーカーたちを惨殺していく。光狩もすぐに追いついてどうにかそれを止めようとするがカマキリのスピードについていけない。
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