第22話 ダンジョンへの第1歩㉒

俺はスナイパーライフルをケースの中にしまうとすぐに木を降りて、光狩の元に行く。光狩は万が一の戦闘に備えて双剣を出しっぱなしにしながら、第1階層へとつながる階段へと走る。


俺たちはすぐに森を抜けると戦闘を行っているシーカーたちを横目に見ながら階段へと走る。


「おい、ほかのシーカーに伝えなくてもいいのか?」


「伝えても別にいいんだけど基本的にシーカーは全部自己責任だから、わざわざ伝える義務はないよ。それにあのカマキリが森から出てくるかどうかは正直わからない。危険だとギルドが判断したらダンジョンに潜っている全員に通達が来るはずだから、それを待てばいいと思う」


「、、、わかった」


「それよりも今はどれだけ早くギルドに正確な情報を伝えられるかだよ。こっちからはギルドにメールとかできないからね。俺たちが生きてダンジョンから出ないと何も始まらない」


できる限り急いで撤退しているため、シーカーたちの中には何かあったことを察して撤収準備を始めようとしている者たちもいる。


そろそろ階段が見えるだろうと思われるところに来ると何やら階段があるだろうところに人だかりができているのが見える。それに近づいていくにつれてないやら困惑した声というのが聞こえてくる。


階段の前に辿り着いたものの何が起きているのか全く分からない。ちょうどいいところにシーカーがいたので聞いてみる。


「これは何の騒ぎだ?」


「どうやら突然階段が消えたらしいぜ」


「階段が消えた?」


「だってよ。俺も実際に見てたわけじゃねーからよくわからねーが、本当に階段があった場所がただの壁になっているのはマジだ」


「、、、わかった。ありがとう」


「何が起きてるんだ?」


「さぁ、俺にもわからない。でも間違いなく今まで起きたことがないことが起きていることは確かだと思うよ?」


「これだと、ダンジョンから出るどころか援軍すら来れないぞ。あんな化け物に一つ星級のシーカーだけで勝てるとは思えない」


「でも、こうなったらもうあいつを倒すしかないんだよね。キーになっているとしたらあれしか考えられないし」


「っ、、あれを、か。さすがに勝てる気がしないな」


「まぁ、やってみないとわからないでしょ。それに戦ってたら何か弱点が見つかるかもしれないし」


その時、はるか遠くからではあるものの確かにシーカーの断末魔のようなものが聞こえてきた。あのカマキリが森を出て平原に繰り出してきたのだろう。となるとここが戦場になるのも時間の問題だ。


俺は背負っていたライフルケースからスナイパーライフルを取り出すとカマキリを探すために断末魔が聞こえてきた方向をスコープを使って眺める。

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