第19話 ダンジョンへの第1歩⑲

「え?」


「だから、なんでお前そんなにダンジョンについて詳しいんだ?今までダンジョンに潜ったことがあるわけじゃないんだろ?」


「そりゃ、仕事だからだよ。俺はダンジョンについて仕事でいろいろ調べて来いって言われてるの。だから事前にいろいろ調べないといけないってこと」


「あーーー、そういえお前そんなこと言ってたな。1年間の有休をとってきたとかなんとか」


「そう、そういうこと」


「なるほどな、、、それでこれからどうするんだ?」


「うーーん、そうだね、とりあえず明日は今日と同じ第2階層かな。そこからだんだん慣れてきたなって思ったら第5階層まで潜ろう。そこから先はまた今度決めればいいと思う」


「了解だ」


光狩はしゃべりたいことをしゃべり終わったのかいきなりソファに倒れこむとそのままゴロゴロし始めた。


「、、、ここは俺の家なんだが」


「いいじゃん、別に。俺もずっとしゃべった疲れたの!」

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そして次の日、いつも通りコーヒーを飲みながら過ごしていると毎度のことながらドアが勝手にあく音が聞こえてくる。


「来宝!今日も行くよ!」


「わかったよ、」


俺は残っていたコーヒーを一気に煽るとすぐに光狩の元へ向かう。


「え!?」


「、、なんだよ」


「なんで準備してんの!?いつもは俺が来てからめっちゃごねて、それから準備するのに!」


「、、、そりゃ、昨日の時点で行くことは決まってたからな。準備ぐらいは済ませておく」


俺がそう言ったのにもかかわらず光狩はこっちを見てにやにやし続けている。


「そんなこと言って、やっぱりダンジョンのことが好きになったってことなんじゃないのー」


肩をにやにやしながらつついてくる光狩の首根っこを俺はつかむとそのまま引きずるようにして家からでる。


「ちょっと!離して!」


「無理だ。ぜったに離さない」


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「もうーー、本当にひどい目にあったんだけど、、」


「それはお前が悪い」


「いや、さすがに電車の中でも首根っこをつかみ続けるってさすがにやばいって。隣に立ってる人なんてとんでもない目でこっちのこと見てたよ!」


「他人にどう思われようと興味ない」


「そんなスタンスだから就職できないんだよ!」


「あ?」


俺が光狩のことを睨んだ瞬間、光狩は体をひねらして俺の手を振りほどくとそのまま俺から距離をとる。


「暴力反対!」


「そんなことはいいから早くいくぞ」


俺は光狩のことを置いてギルドへと向かう。

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